三分で学ぶ！サム・ジアンカーナ
三分で学ぶ！サム・ジアンカーナ
目次
今回はケネディとも関わりの深いジアンカーナを紹介します
サム・ジアンカーナの生い立ち
サム・ジアンカーナは1908年5月24日にシカゴのイタリア人街に誕生。
7人の子供と妻を養う為に父のアントニオは、ちなみに父は荷車で野菜などを売り歩き生計を建てていた。
アントニオは真面目に働く男ではあったものの、その一方昔気質の厳しい男で、悪ガキのサムを殴る蹴る、木に縛り付けるなどの暴力で躾ようとした。
父は血だるまになるほど激しい暴力を振るったがサムは、思いとは裏腹にギャングとしての道を歩み始める。
フォーティーツーという少年ギャング団に加入、窃盗や暴行を繰り返した。
サム・ジアンカーナの伝説
「三分で学ぶアル・カポネ」「三分で学ぶ、ジョニー・トーリオ」で紹介した通り、シカゴでは密造酒ビジネスを巡る戦争が加熱。
これにより当時のアウトフィット(シカゴマフィア)のボス ジョニー・トーリオも暗殺されかける。
この暗殺未遂の黒幕については〝ライバルギャング説〟と〝アルカポネ説〟があり、後者は利権を奪うためにカポネが暗殺を企んだとしている。
サムは後年、「アルカポネが足の付かないヒットマンを求めており、フォーティーツーの中から優秀な人材にトーリオ暗殺を依頼した」と語っているが真相は不明。
その他、ジェンナ兄弟暗殺にも関わったとされているがこちらも真偽不明。
ともあれ、サムの運転と射撃の腕はなかなかなもので、やがて噂を聞き付けたアウトフィットのトニー・アッカルドなどに引き立てられる事となる。
マフィアの下請けとして働き始めたサムだったが、1929年に強盗などの容疑で逮捕され、約4年ほど服役。
私生活では出所後結婚。子供も産まれました。
本物のマフィアへ
シャバに戻ったサムはカポネの用心棒 ジャック・〝マシンガン〟・マクガーンの運転手として働き始める。
やがてマクガーンが失墜すると、頭脳派マフィア マレー・ハンフリーズなど他のマフィアの元で恐喝や取り立て、暴力沙汰を行って信頼を勝ち得ていく。
1930年代後半、正式にマフィアの一員となったサムは賭博事業などを仕切るまでに。
弟チャックの書いた「アメリカを葬った男」によるとサムはマレー・〝ザキャメル〟・ハンフリーズに心底感服し、彼を真似て洒落た服装を好むようになったという。
ハンフリーズは穏健派のマフィアで、彼の考え方はとにかく暴力で問題を解決してきたサムに大きな影響を与えたのだった。
万事順調に進んでいたものの、1939年サムは再び逮捕、四年の服役を余儀なくされた。
黒人ギャングとの提携
刑務所内で黒人ギャングとのパイプを作ったサムは出所すると、〝ナンバーズ賭博〟の運営に乗り出した。
ナンバーズはやがて数百万ドルの利益を生むようになり、サムはアウトフィットの出世頭に。
そして1957年にアッカルドに指名されサムはフロントボスに出世した。
サムがボスになったという説の他にあくまでフロントボスだったという説も根強いです。
いずれにせよサムはアウトフィットの陣頭指揮を取るまでに出世したのだった。
同年、ヴィト・ジェノベーゼが主宰したアパラチン会議の頃には、ジェノベーゼと敵対するフランク・コステロやマイヤー・ランスキーと同盟を結び、会議が摘発される事も知っていた。
サムは〝暗黒街の首相〟と呼ばれたフランク・コステロの事も大いに尊敬しており、多くの助言を求めたと言われている。
。
マフィア界のアインシュタインと呼ばれるマイヤーランスキーもサムの賢いやり方を評価したそうです。
マフィアとCIAとの繋がり
諸説あるが、サムは〝アメリカを支配する〟という野望を叶えるために他のマフィアを説得し、懇意にしていたケネディを支援、大統領選を勝たせてやった。
さらにCIAと協力し中東に武器を輸出するなど、〝今までのマフィアの領分〟を大きく越えるような活動を行った。
このCIAとの繋がりはカストロ暗殺を依頼された事から始まったとされ、サムはどんどん深みにハマって行くこととなる。
ジアンカーナはCIAとマフィアについて「CIAとマフィアはコインの裏と表さ」と語っています。
ケネディ暗殺とジアンカーナ
映画「アイリッシュマン」やその他の作品でも語られたように、ケネディは大統領になったものの、マフィアを取り締まる事により受けた恩を無かったことにしようと画策。
これに怒り、失望したサムはCIAと協力してケネディ暗殺を主導した。
ケネディの当選と暗殺について、サムがどこまで主導したかは諸説あるものの、マフィアが関わった事は間違いないように思います。
サム・ジアンカーナの失墜
1965年6月1日、サムは法廷侮辱罪で一年の服役を余儀なくされた。
これを機にアウトフィットのメンバー、主にアッカルドは〝やり過ぎた〟サムをフロントボスの座から解任。
変わりにジョセフ・アイウッパをフロントボスに指名した。
出所後はフロントボスの座を解任された事に抵抗しつつも、シカゴを離れメキシコで生活をはじめる。
だが、1974年にアメリカへ強制送還される形で帰国した。
帰国したサムはマフィアとCIAの関連を調べる公聴会へ証人として、出席する事に。
そして公聴会を目前に控えた1975年6月19日、サムは自宅で調理中に背後から撃たれ死亡した。
状況から顔見知りの犯行と思われるが、犯人は捕まらず未解決となる。
犯行の黒幕はCIAかトニー・アッカルド。もしくはその両方と思われる。
結局の所、サムはやり過ぎたが故に始末されてしまったのだった。。
