映画予習 三分で学ぶ アルカポネ バレンタインの虐殺~アンタッチャブル編
三分で学ぶアルカポネpart3
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三分で学ぶアルカポネpart3です
パイナップルプライマリー
1928 年 4 月 10 日、悪名高いパイナップルプライマリーが始まった。
パイナップルとは手榴弾の隠語であり、プライマリーとは予備選挙という意味である。
はて、パイナップルプライマリーとはなんなのだろうか?
選挙の2週間ほど前、シカゴ市長のウィリアム・ヘイル・トンプソンはカポネにこう泣きついた。
「次の選挙で負けたら私はおしまいだ」
これにカポネは笑いながらこう応じた。
「心配することはない、選挙は必ず勝たせてあげますよ」
翌日からトンプソン市長のライバルとなる候補者の自宅や事務所に手榴弾が投げ込まれ始めた。
連日の脅迫に多くの候補者は出馬を取り下げる。
だが中には頑なに脅迫に屈しない者もいた。
そのうちの一人がジョー・エスポジートである。
彼は独自にギャングを雇っており、自分に敵はいないと豪語していた。
しかし、それは間違いだと証明されることになる。
1928 年 3 月 21 日、ジョーが選挙活動を終えて帰宅し玄関のかぎを開けていると、黒塗りの車がやってきた。
車はブレーキ音を響かせながら停車し、ジョーはその様子にあっけにとられていた。
すると後部座席の窓が開き、男がマシンガンをジョーに向けて構えるではないか。
ジョーは急いでドアを開け逃げ込もうとしたが、そのままハチの巣にされた。
こうしてカポネはトンプソン市長のライバルを排除。
もちろん選挙はトンプソン市長が勝利した。
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バグズ・モラン
一方、ノースサイドにも動きがあった。
死んだハイミー・ワイスの後を引き継ぎ、バグズ・モランというギャングがぼすになったのだ。
モランは平和協定からしばらくすると、幾度も攻撃をしかけ、カポネを悩ませるようになった。
ある日マシンガンマクガーンがモランの差し向けた殺し屋に殺されかけるという事件が起こる。
マクガーンは難を逃れたものの激高し、カポネにモラン一味抹殺計画を進言した。
ゴーサインを得たマクガーンは、アンセルミ、スカリーゼ等を選抜して、チームを編成。
計画を実行に移す。
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ちなみにこの二人はバットで撲殺されるあの人物たちです。
聖バレンタインの虐殺
1929年2月14日、モランが拠点としている倉庫に5人の警官が現れた。
警官たちは中にいた7人にこう命じた。
「手をあげて壁に向かって一列に並べ」
そしてモランの手下たちが一列に並ぶと警官たちはコートの懐から散弾銃やマシンガンを取り出した。
そう彼らの正体はマクガーンが送り込んだ殺し屋だったのだ。
殺し屋達はモランの部下を一気になぎ倒した。
これが後に広く知られる「聖バレンタインの虐殺」である。
計画は成功したが一つ誤算があった。
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殺し屋達はモランが倉庫に入ったと思い、続いて突入した。
しかし、これは見間違いだったのである。
本物のモランは会合に遅刻しており、倉庫前に止まったパトカーを見て逃げおうせていた。
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この事件で関与を疑われるとカポネは、「マイアミの別荘で休暇をとっていた」と主張。
しかしこの事件の影響は絶大で、カポネを恐れたギャング達はシカゴから大挙して逃げ出した。
またニューヨークのルチアーノやランスキーは、あまりに目立つ大虐殺を非難した。
マフィアの全国会議
その年の5月、マフィアは全国的な会議を開いた。
場所は、アトランティックシティ。
ホストを務めたのはアトランティックシティの顔役、ナッキー・ジョンソン。
ラッキー・ルチアーノは後にこの会合をこう振り返っている。
「ナッキーは豪華なホテルを用意したが、実はホテルはユダヤ人お断りだった。
だから俺たちは宿泊を拒否されちまったんだ。
するとカポネがナッキーにキレた。
「ホストのくせに何やってるんだ」と。
ナッキーとカポネは怒鳴りあい、業を煮やしたナッキーはなんと、カポネを抱え車の中へ放り投げてからこう言った。
「俺についてこい!」
結局ナッキーは権力を行使して、ホテルを再度、用意した。」
またこの時ナッキーはさらに全員へ極上のもてなしを用意していたという。
酒や女、葉巻。さらに妻を同伴した者には、毛皮のコートまでプレゼントした。
この会議には以下の者たちが参加した。
ラッキー・ルチアーノ、
マイヤー・ランスキー、
シカゴからは、アル・カポネ、ジャック・グージック(ボディーガードはトニー・アッカルドだった)。
また、その他各地から有力なギャング(マフィア)が集まった。
そして、議長はを務めたのはジョニー・トーリオ。
トーリオはカポネに引退をすすめられる唯一の人物として、マフィアたちに担ぎ出されたのだった。
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参加者は遊歩道(ボードウォーク)や砂浜で議論を交わし、やがていくつかの取り決めが生まれた。
まず殺人は止めて、問題は委員会で決めること。
この取り決めは、後にマフィアの全国会議「コミッション」が発足した際にも採用されている。
次に今後、委員会は、トーリオがまとめること。
そして最も重要な取り決めが「カポネは引退し、ビジネスはトーリオに引き渡すこと」というものだった。
またトーリオはカポネのビジネスの上がりを、全国の仲間に分配することとも定められた。
もちろんカポネは反発する。
彼は知恵を絞り、この取り決めから逃れるために自ら逮捕され、投獄された。
一年ほど服役すれば、ほとぼりも冷めると思ったのだ。
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アンタッチャブル
結局、服役生活に耐えかねたカポネは、10ヵ月で刑務所から出てきた。
勿論、獄中でも何不自由ない生活を送ったが、退屈だったのである。
そんな頃、国税局の禁酒法取締官、エリオット・ネスが〝カポネ帝国〟の取り締まりに乗り出した。
だがカポネは、ネスなど眼中になかった。
ちなみにラッキー・ルチアーノも晩年、記者に「エリオット・ネスについてどう思いますか?」の訊かれ、「誰のことだ?」と答えている。
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映画「アンタッチャブル」の主役 ネスは現実世界では脇役に過ぎなかったのです
カポネが抱える問題はネスの手入れではない。
カポネの仲間達、フランク・ニッティやマクガーン、グージックなどが続々と逮捕されたこと。
そしてニッティとグージックが脱税で起訴されたことだった。
当然、次に逮捕されるのはアル・カポネである。
恐れをなしたカポネのは、国税局に税金を納めると申し出たが拒否されてしまう。
その裏側で
聖バレンタインデーの虐殺の報道は全米を駆け巡った。
そして、アメリカの最高の権力者の耳にカポネの悪名が届いた。
最高の権力者とは、アメリカ大統領、ハーバート・フーヴァーである。
同時にフーヴァーはシカゴが治外法権のような有様になっていると知り、自身の指示値るに影響するのではと危惧。
警察にこう命じた。
「あのチンピラを早く捕まえるんだ」
しかし警察はいつまでたったもカポネを逮捕できなかった。
第一にシカゴの警官の大半は買収されていた。
第二にカポネは常に手下を使う事で、犯罪との直接的な関りを絶っていたのである。
この状況を見かね国税庁が動き出す。
国税局は捜査官のマイク・マローンをカポネの組織に潜入させることに。
彼はギャングのデ・アンジェロとしてカポネの部下になり、やがて要職に就いた。
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マローンは1928年から31年まで潜入していたそうです。
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余談だが、デ・アンジェロはフランク・ニッティの誕生日会に呼ばれた際に、恐ろしい体験をしている。
舌の痺れるステーキをふるまわれたのだ。
アンジェロは思った。
「正体がバレて毒を盛られたに違いない」
そして取り乱してポール・リッカに「これはなんだ!ピリピリするぞ!」と尋ねた。
するとリッカは笑って答えた。
「スパイスの効いたステーキさ。気に入らないのか?」
そんな事もありつつ、アンジェロと新たに潜入した捜査官は二人で情報を集めていく。
そしてある日、カポネの部下が「国税庁はカポネを有罪に出来る帳簿を持っているのに気付かないんだ」と話しているのを盗み聞いた。
この情報はすぐさま国税庁に伝えられる。
そして調べた結果、それは五年も前に押収した証拠品だった。
だがこれですんなりとカポネを逮捕出来るわけではない。
帳簿は暗号化されているからだ。
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帳簿を解読すべく、国税庁はカポネの帳簿係を捕まえた。
そして虫嫌いという性格を知り、彼を虫攻めにした。
彼はすぐに暗号を明かした。
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〝虫攻め〟は、映画「アンタッチャブル」でも描かれたが、実際にも行われただったんです。
帳簿が解読されたと知ったカポネは逮捕が迫っていると感じ、世論を味方に付けようとする。
その一環としてカポネはホームレスへ無料給食を提供した。
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コミッション
1931年、シカゴでカポネに操作の手が迫っている頃。
ニューヨークではサルヴァトーレ・マランツァーノがジョー・マッセリアを倒し、五大ファミリーを再編していた。
マランツァーノは再編後、初のマフィアの全国会議をシカゴで開く事に決める。
カポネはこれに快く応じ、会場をセッティングしてやった。
前回アトランティックシティ会議では、不本意な取り決めをさせられたが、勢力図の変わった今ならカポネに有利な取り決めを新たに結べると考えたのだ。
またカポネはマッセリアへ軍資金を提供していたが、マランツァーノから中立でいて貰いたいと頼まれて、それに従ったという経緯があった。
それを踏まえ、会議の席でマランツァーノはカポネについてこう述べた。
「かつては敵だったが今は違う。 シカゴのボスと協力して平和を享受したい」
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結果、前回の取り決めは忘れ去られ、「アル・カポネはシカゴのボスである」と正式に認められた。
これに気をよくしたカポネは、もう一つの問題、脱税問題に取り組んだ。
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1931年6月5日、カポネは起訴を見越して「有罪を認める代わりに減刑して欲しい」と取引を申し出る。
検察はこれに乗り気な姿勢を見せた。がそれは罠だった。
取引の交渉中に突然、起訴が発表されカポネは不意打ちを食らう形に。
当然、減刑の話はなくなってしまい、カポネは再び窮地に立たされた。
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ちなみにマランツァーノはこの直後にカポネを含む若手マフィアを皆殺しにしようとするも、ルチアーノに先手を打たれ死亡しました。
次回は5/6更新です。。