三分で学ぶ サルヴァトーレ・マランツァーノ
三分で学ぶ サルヴァトーレ・マランツァーノ
今回はマフィアの父としてしられる五大ファミリーの創立者サルヴァトーレ・マランツァーノを紹介していきます!
マランツァーノの生い立ち
サルヴァトーレ・マランツァーノは1886年7月31日、シチリア島のカステッランマーレデルゴルフォに12人兄弟の末っ子として誕生した。
この出身地がポイントです。
幼い頃から聡明だったマランツァーノは僧侶になる事を夢見て勉強に励んでいたが、やがて身近にいるマフィア達に憧れを抱くようになってゆく。
不良仲間と付き合い始めたマランツァーノは賢さから一目おかれ“リトルシーザー”とあだ名されるようになった。
シーザーとはジュリアス・シーザーのこと。
マランツァーノはローマ帝国を率いたシーザーを尊敬し生涯手本としていた。
また、ことあるごとにシーザーの言葉を引用していたという。
その後マランツァーノはマフィアとして一目置かれる存在にのしあがってゆく。
新天地アメリカ
マランツァーノがアメリカへと渡ったのは1920年代のこと。
当時、シチリアを支配していたマフィアのボス ヴィト・フェッシオ・カッロはアメリカに基盤を作るべく腹心のマランツァーノを送り込んだのだった。
アメリカへとやってきたマランツァーノは表向き不動産ビジネスを行い、それを隠れ蓑に密造酒ビジネスに参入した。
マランツァーノが密造酒から売春・麻薬へとビジネスを広げるにつれ、彼の部下もどんどんと増えてゆく。
その中の一人は後の“ゴッドファーザー”ジョゼフ・ボナンノ。
マランツァーノはボナンノを可愛がり右腕として採用した。
順風満帆なマランツァーノだったが、ここで思わぬ強敵が立ちはだかる。。
カステランマレーゼ戦争
禁酒法時代、アメリカ最強のマフィアはジョー・マッセリアだった。
強欲で縄張り意識の強いマッセリアはマランツァーノの台頭に危機感を覚え「ステッランマーレデルゴルフ出身者は皆殺しだ」と宣言。
これに怒ったマランツァーノ率いるステッランマーレデルゴルフ出身者グループとマッセリア派は全面戦争に突入した。
マフィア史上最も激しい戦争“カステランマレーゼ”の由来はマランツァーノの出身地だったのです。
この血で血を洗う戦いは1930年2月から1931年4月15日まで続き、数えきれないマフィアが命を落とした。
また、争いは二人の本拠地であるニューヨークに止まらずシカゴなど全米各地で代理戦争が勃発。
その模様は映画「バラキ」でも描かれている。
11931年4月15日、力では一歩リードしていたマッセリアを倒すべくマランツァーノはある秘策を考え出した。
それはマッセリアの右腕だった若手のマフィア ラッキー・ルチアーノを自陣に引き込むと言うもの。
元々、無駄な争いを望んでいなかったルチアーノとインテリのマランツァーノは馬があったのだ。
そしてルチアーノはマッセリアを会合へと呼び出し仲間達に射殺させた。
こうして戦争は終結したのだがー。。
ボスの中のボス
マッセリアが死亡するとマランツァーノはマフィア界のルールや縄張りを再編。
ローマ帝国をモデルにした新たな帝国を築き上げた。
これによりニューヨークには五大ファミリーが誕生。
マランツァーノはボス達を支配するマフィア界の頂点 “ボスの中のボス”の座を自ら作り君臨した。
この発表は全米のマフィアを召集し大々的に行われ、マランツァーノは玉座に座りその権力を皆に誇示したのだった。
しかし華やかな舞台の裏ではラッキー・ルチアーノ率いる若手マフィアがクーデターを目論んでいた。
それに気がついたマランツァーノは“殺しのリスト”を制作、そのリストにはダッチ・シュルツやアル・カポネも載っていた。
そしてリストのトップであるラッキー・ルチアーノを殺害すべくマランツァーノは殺し屋を雇う。
しかし、目論みは部下のトミールッケーゼがルチアーノに密告した事で最悪の事態を招く。。
シーザー暗殺
1931年9月10日、マランツァーノはマンハッタンにある事務所にラッキー・ルチアーノを呼び出し殺害することに決めた。
しかしラッキー・ルチアーノが現れる直後に四人の国税局の捜査官が現れてしまう。
彼らは帳簿を出せと要求、マランツァーノの部下達をホールドアップした。
二人の捜査官はマランツァーノの事務所へと踏み込み居合わせたトミー・ルッケーゼに対しおもむろにこう聞いた。
「マランツァーノはこいつか?」
ルッケーゼが頷くと二人はナイフを取り出しマランツァーノに襲いかかった。
彼らはルチアーノが差し向けた殺し屋だったのだ。
マランツァーノは何度も刺され最後に銃で止めを刺された。
映画とマランツァーノ
マランツァーノが登場する作品と言えば「モブスターズ」、「ボードウォークエンパイア」など。
特にボードウォークのマランツァーノはかっこよくてイチオシです。
あまり知られていないがマランツァーノは「ゴッドファーザー」の原作にも登場している。
マランツァーノはヴィト・コルレオーネと敵対し、アル・カポネ配下の殺し屋を差し向ける。
しかし殺し屋はルカ・ブラージが撃退。
最後ははテシオがマランツァーノを射殺し、マランツァーノファミリーの地盤はコルレオーネファミリーへと引き継がれることになる。