映画 フェイクの裏側 カーマインギャランテ暗殺事件
こんにちは!
今回は、カーマイン・ギャランテ暗殺事件を紹介していきます。
カーマイン・ギャランテは映画「フェイク」に登場したあの〝消されちまった大親分〟です。
ギャランテ暗殺当日
ギャランテは一説によると〝ボスの中のボス〟になろうとしてコミッションに暗殺されたと言われています。
ボスの中のボスとは、サルヴァトーレ・マランツァーノが五大ファミリー制度を作った際に設けたポストで、平たく言うと他のファミリーのボスよりも上の地位です。
アメリカではその後ラッキー・ルチアーノが〝ボスの中のボス〟の座を辞退して依頼、廃止されたポスト。
ヴィト・ジェノベーゼやカルロ・ガンビーノがその座を目指したものの、長年、失われた存在となっていた。
話を戻すと、「カーマイン・ギャランテは〝ボスの中のボス〟になると公然と語り、その瞬間から彼は〝ウォーキングデッド〟(生きる死体)となった」と知る人は語っている。
そして、1979年7月12日の午後、69歳のギャランテは、ヒットマン達に射殺され、葉巻を加えたままの写真は新聞の一面を飾ることとなりました。
ちなみに、ギャランテは葉巻が大好きで、四六時中葉巻を加えていたことから〝シガー〟とあだ名されていました。
歴史は繰り返す
ギャランテの大それた野望には、実は根深い因縁がありました。
ギャランテはヴィト・ジェノベーゼの弟子としてマフィア人生をスタートさせ、その後はジョー・ボナンノのドライバーを勤めた経歴の持ち主でした。
やがて、ボナンノファミリーのアンダーボスに取り立てられたギャランテは、ボナンノによりモントリオールとニューヨークの間のヘロイン輸送ラインを確立するためにカナダに派遣されます。
麻薬ビジネスに精を出したギャランテでしたが、1962年に逮捕され刑務所へ。
1974年に仮釈放された時には、ギャランテの影響力は弱まっていた。
その為、次のボスの座はアンダーボスのギャランテではなく、フィリップ・ラステリに渡ってしまいまう。
しかし、すぐにチャンスが巡ってくる。
ラステリが刑務所に行きになると、絶好の機会と見たギャランテはファミリーの支配権を奪い取り、さらにボスの中のボスになると宣言した。
この宣言は、ラステリをボスに指名したコミッションを許さないというメッセージでもあった。
そこでコミッションはラステリと連携を取り、ボナンノファミリーのカポ ドミニク・〝ソニーブラック〟・ナポリータとアルフォンス・〝ソニーレッド〟・インデリカートが暗殺計画の指揮を取ることに決めた。
暗殺の日、午後2時45分頃、ギャランテのボディーガードの情報を元にソニー・ブラック、ソニー・レッド、ブルーノ・インデリカート(ソニー・レッドの息子)はレストランにやって来た。
ギャランテはランチを済ませ、従兄弟とレストランオーナーとの三人で談笑していた。
ギャランテの従兄弟は、三人を見つけると「何してるんだ?」と声をかけ、対して三人はショットガンでこれに答えた。
ギャランテは結局の所、教えを受けたヴィト・ジェノベーゼとジョー・ボナンノと同じ様に、出過ぎた真似をして破滅したのだ。
映画で描かれた通り、ブルーノ・インデリカートはその後の内部抗争を生き残ったが、ギャランテ殺害の容疑で逮捕された。