バグジーの豪邸
ラスベガスを作った男、バグジー・シーゲル。
1947年に彼が射殺されたカリフォルニア州ビバリーヒルズの邸宅が1690万ドルで売りに出されている。
そして多くの人がその豪華なインテリアを初めて目にすることになった。
マフィアの豪邸
今年の3月、ビバリーヒルズ、リンデン・ドライブ810番地の豪邸が売りに出た。
豪邸には7つのベッドルームと7つのバスルームがある。
しかし、見学者たちが興味を示すのは決まって別の部屋だ。
それはバグジーが射殺されたリビングルーム。
元々は愛人ヴァージニア・ヒルの邸宅だが、バグジーの名義で借りられていた。
暗殺事件があった1947年6月20日の3日後に契約は切れる予定だったという。
事件の日、ヴァージニアはパリに旅行に出ていた。
バグジーはというと、ニューヨークから列車でやってくる娘たちの訪問を待つ間、衣服や身の回りのものを取りにラスベガスから飛行機で豪邸を訪れていた。
彼は、娘たちの合流したらカナダに旅行に連れて行くつもりだった。
しかし、その前に犯人はシーゲルの命を絶った。
豪邸の裏側
これまで、豪邸の内部はあまり公開されてこなかった。
売却を担当する不動産業者のマイラ・ヌーマンド氏はインタビューでこう答えている。
「連絡が殺到していますが!見学できるのは真剣に購入を考えている人だけです。
内装や有名なリビングルームを覗きたいだけの見物人は連絡を控えてください」
ちなみに彼女によると、リビングルームは新しい暖炉のマントルなど改装されてはいるが、バグジーが殺された夜と同じで状態であるという。
「窓ガラスは銃撃で割れた部分を補修していますが、犯人が覗き込んだのと同じものです」
また、全体としてこの部屋は「美しく調度されている」と彼女は言う。
「以前よりずっといい感じです。銃撃戦があったとは、決してわからないでしょう」
買い手はつくのか
言うなればこの豪邸は事故物件である。
しかし不動産業者のヌーマンドは、ほとんどの購入希望者はこの住宅で殺人が起こったことに怯えてはいないという。
ちなみにカリフォルニアの不動産業者は、一定の例外を除き、住宅で起きた死亡事件を明らかにすることが義務づけられている。
バグジーの暗殺事件は秘密ではないわけだが。
それからヌードマン氏は、この住宅は壮観で印象的な建築物であると述べている。
「1928年に建てられた7,092平方フィートの邸宅は、2,000坪の敷地に建っており、とてつもない存在感があります。
スパニッシュコロニアル様式の邸宅の内部には、オリジナルのステンドグラスや錬鉄のほか、手塗りのタイル、ハードウッドフロア、梁出し天井などがあります。」
しかし、買い手によってはリフォームされる可能性もある。
例えば、1969年8月にチャールズ・マンソン信者が妊娠中の俳優シャロン・テートら4人を殺害し、玄関ドアにテートの血で「豚」と落書きしたシエロドライブの家もそうだった。
同じようにバグジーの豪邸がリフォームされてしまわないことを祈るばかりである。
ファンの声
この一大ニュースにアメリカのファンからはこんな声が上がっていたようだ。
「夜中にバグジーの亡霊が出るか試したい」
「バグジーが死んだリビングでくつろげるなんて最高にクールだ」
最後にマイラ・ヌーマンド氏のコメントを紹介しよう。
「シーゲルの武勇伝を追ってきた人たちにとって、この建物は大きな魅力を持っているはずです。新しいオーナーは、かつてこの土地を借りていたこの魅力的な人物の物語でゲストをもてなすことができるでしょう」