ソニー・コルレオーネとジェームズ・カーン
ジェームズ・カーンが語る裏話
今回は映画「ゴッドファーザー」50thに際してソニー・コルレオーネ役のジェームズ・カーンがメディアに語った裏話をご紹介していきます。
マーロン・ブランドについて
「ゴッドファーザーを成功させた要因のひとつは、素晴らしい監督と脚本、そして素晴らしい俳優陣のほかに、みんなが本当に楽しんで作っていたことであり、それがスクリーンにも現れている。
そして、観客は私たちがあそこで楽しくやっていたことがわかったと思う。
マーロンは偉大だった。
彼は素晴らしいユーモアのセンスを持っていましたが、時々ジョークを理解するのに苦労していました。
そして2時間後、撮影の途中で、私がセリフを言うと、突然ブランドが笑う真似をしたんです。
『一体どうしたんだ』と言うと、彼は『面白いね』と。
2時間遅れでジョークに気がついてくれた。
そういう子供みたいな人でしたね。
私は彼が大好きでしたよ」
レニー・モンタナ
レニー・モンタナは、元プロレスラーでありコロンボファミリーのボディガードをしていたという異色の経歴を持つ人物。
ゴッドファーザーではヴィトの懐刀 ルカ・ブラージを演じています。
「モンタナはドアをノックして、『ドン・コルレオーネ、あなたの娘の結婚式の日にここに来られて光栄です、彼女の最初の子供が…』と言うんだ。
フランシスがきて、私に『ジミー、何とかしてくれ!』と言ったんだ。
僕は『フランシスは何を言ってるんだ。
あの野獣をどうしろって言うんだ? 』
するとフランシスは『彼を元気づけるようなことをしてくれ』と。
モンタナはマーロン・ブランドとの共演に緊張しすぎ、ガチガチに固まってしまっていたのだ。
そこで私はレニーを捕まえ、『レニー、こっちに来い』と言った。
私はマーロンに雪辱を果たそうとしたんだ。
『ドン・コルレオーネと言ったら、舌を出して、舌に”F-k you “と書いたテープを貼ってあげるよ』
彼は赤ん坊のように『ああ、ジミー、こんなことさせないでくれ』と。
そこで『レニー、頼むよ、ユーモアだよ、みんなが笑うし、君も気分が良くなるよ。
私のためにこれをやってください』とお願いした。
それで僕はテープを持ってきて、彼の舌に貼ったんだ。
みんなが『アクション!』と言った瞬間、彼は舌を出し、みんなが笑い転げたんだ。
彼は微笑んでいた。幸せだったんだ。
カルロとソニー
ソニーがカルロ(ジャンニ・ルッソ)を路上でボコボコにするシーンについて、ジェームズ・カーンはこう話す。
「カルロが逃げるときに投げた棒は、脚本になかったんだ。
産業用のほうきの端を切って、車の座席の下に置いておいた。
『脚本にはない』と言われたが、僕は『何が違うんだ、ただそこに置けばいいじゃないか』と言ったんだ。
神に誓って、それを使って何をするつもりか見当もつかなかったが、僕の近所で多くの男がそうしていることは知っていた。
私たちはそれを姿勢調整器と呼んでいました。
俺はただそれを掴んで、棒を投げた。
フランシスは『さすがだ、ジミー、彼は本気で逃げてるぞ』と。
それから運良くあの場所で彼を捕まえたんだ」
アドリブがたくさん
最後にジェームズ・カーンは冒頭の結婚式回りのシーンや衣装について振り返った。
「FBIの男が古い四角いカメラで僕を撮ったんだ。
これは脚本には書いてなかったんだけど、僕はすごく熱くなって、彼のカメラを掴んで地面に叩きつけた。
そしてポケットから40ドルほど取り出して歩き去った。
予算はそれほど多くなかったので、常に追加していたな
予算についてはこんなこともあったよ。
靴の種類は脚本にないと言われたので、『昔住んでいた近所のイタリア人は、スーツは2着くらいだけど、靴は10足持っている人が多かったよ』と言ったんだ。
それで、ある日ブロンクスに行って、あの白黒の靴を10ドルで買って、映画の中で履いたんだ』