マフィアと次世代ジュークボックス
ブルーアイズ・アロ
1960年代、スコピトンと呼ばれる映像が流れるジュークボックスがブームとなった。
ジェノベーゼファミリーのヴィンセント‘‘ジミーブルーアイズ’’アロもこのスコピトンに深くか変わることに。
しかしこのスコピトンが思わぬ災いを招く。。
大女優
1964年、女優デビー・レイノルズはパートナーの元B級映画プロデューサーであるアーヴィング・ブリスキンと共にジュークボック用の音楽映画を制作することにした。
二人はシカゴを拠点とするジュークボックスメーカー ‘‘テル・ア・サイン・インク’’と制作契約を結ぶことに。
決め手は‘‘テル・ア・サイン・インク’’の「レイノルズが様々な曲を歌う映像が流れるマシーンを作ろう」というオファーがーが気に入ったから。
しかし二人はこの会社の影の持ち主がアロだという事には気がつかなかった。
スコピトンの歴史
スコピトンの誕生は1930年代にまでさかのぼる。
一度は第二次世界大戦中の影響から製造中止に追い込まれたものの、1960年に生産が再開。
ヨーロッパを中心にブームが巻き起こった。
そのブームは逆輸入される形でアメリカに上陸。
アメリカでのスコピトンの権利はタレントエージェンシーであるジョージ・ウッドが買い取った。
しかし、多くのスターの楽曲と権利を手に入れたもののスコピトンは思いの外利益を生まない。
ジュークボックス業界はマフィアに牛耳られており、堅気の人間のジュークボックスを置いてくれる店がなかったのだ。
そこでウッドはコネをフル活用し、マフィアにスコピトンへ投資させることでビジネスパートナーに。
多くのマフィアがスコピトンビジネスを応援してくれるようになった。
スコピトンに迫る危機
ウッドが率いれたマフィアはニューヨークからシカゴまで多岐にわたった。
有名所ではフランク・コステロなどがよくウッドの会社を訪れビジネスの相談をしていたとか。
しかし最も深くスコピトンに関わっていたマフィアはブルーアイズ・アロ。
彼はジュークボックスの王と言われたマイヤー・ランスキーのビジネスパートナーでもあった。
スコピトンは高級ラウンジやナイトクラブ、ホテル、モーテル、レストランなどあらゆる場所に設置され、大きな話題に。
だが警察は早くもこの業界の異変に気がつき、ウッドの会社に盗聴器を設置。
全ては筒抜けになっていた。
1963年、そうとは知らないアロとマイヤー・ランスキー等はスコピトンの権利を独占すべく動き始める。
彼らはウッドの会社ごとスコピトンの権利を購入。
この買収劇はかなりダーティな手法で行われ、一部からは非難された。
スコピトンの女王
1965年デビー・レイノルズは月に4本のムービーを撮るという契約を結んだ。
彼女のムービーは大ヒットした、だが大衆の飽きは早い。
すぐに若い女優の多くがスコピトン界に参入してきてレイノルズの出番はあっという間になくなってしまった。
一方スコピトンは大好評で、1965年の夏には1,300か所で稼働していたという。
連邦調査
1965年12月、スコピトンに関する公聴会が開催される。
アロは矢面に立たされ苦悩することに。
公聴会では134回「記憶にないです」と答えたとか。
1970年、彼は司法妨害と虚偽の回避的回答の罪で有罪判決を受け、5年の刑を宣告された
レイノルズはマフィアと関わったという認識はなかったものの、その後の人生を通して「マフィアと繋がりがある」と非難されることに。
後に出版した自伝でもスコピトンに関わったことを悔いている。
