FBIのソーシャルクラブ
ラスベガスマフィア
シカゴからラスベガスへ送り込まれたハーバート「ファットハービー」ブリッツスタイン。
![](https://mafia-goods.com/wp-content/uploads/2021/01/1-9-17-Blitzstein-Herbie-4-1024x820.jpg)
彼はギャンブルビジネスを得意とするマフィアで、トニー・スピロトロの元部下としても有名だった。
彼が殺害された事件の裏には大きな陰謀がー。
FBIのソーシャルクラブ
1994年、FBIはラスベガスでの組織犯罪を調査するべく潜入捜査官を送り込んだ。
「シンクラスト作戦」として知られるこの捜査の為に、FBIはソーシャルクラブを設立。
クラブの運営者は、FBIの情報提供者になったジェノヴェーゼファミリーの関係者とアンソニー・アンジョレッティ。
アンジョレッティはFBIの命令でソーシャルクラブ「シーブリーズ」をオープン。
クラブの売りはアンジョレッティ自身が作るイタリア料理で店内はすぐに料理を求めるマフィアで賑わうようになった。
多くのマフィアは食事をしながらビジネスの話をする。
FBIはこのクラブに盗聴器を仕掛け、マフィアの情報を集めようとしたのである。
加えて潜入捜査官もクラブに出入りし、マフィアの会話を盗み聞きしていたという。
当時の捜査官はこう振り替える。
「クラブは人々が座って話をするのに最適な場所でした。
アンジオレッティは無口な男でした。
マフィア達は彼を好きではありませんでした。
でも料理が上手でね。
とは言えこんな作戦が上手くいくとは思わなかった」
クラブに潜入した捜査官の一人 チャールズ・マウラーはこう話す。
「マフィアのライフスタイルは私たちのライフスタイルとは大きく異なります。彼らも朝起きます。
でも彼らは仕事に行きません。
彼らはまずクラブに行き話をする」
ブリッツスタイン
クラブの常連にはブリッツスタインと友人のジョン・ブランコがいた。
二人の年齢はブリッツスタインが61才、ブランコは60才。
長年、裏社会で働いてきた戦友だった。
FBIは二人には目もくれず別のマフィアに注目していた。
目をつけられた一人はピーター・ヴィンセント・カルーソ。
彼は度々、店内で「金庫破りをやった」と風潮していた。
もう1人はロサンゼルスのマフィアのボス ピーター・ミラノと彼の兄弟でアンダーボスのカーマイン・ミラノ。
![](https://mafia-goods.com/wp-content/uploads/2021/01/images-2021-01-30T225703.877.jpeg)
この段階でブリッツスタインは取るに足らない客の一人でしかなかった。
クラブパラダイス
![](https://mafia-goods.com/wp-content/uploads/2021/01/1-9-17-Blitzstein-Herbie-2-1024x821.jpg)
ラスベガスのマフィアが集まる場所として有名だったのはクラブパラダイス。
クラブパラダイスはいわゆるストリップクラブ。
ブリッツスタインかなりの常連でクラブには専用席も用意されていた。
1996年5月ブリッツスタインがあるよるパラダイスに立ち寄るとカルーソが専用席に座っていた。
ブリッツスタインは相手が何者か知らなかったので、クラブの用心棒に「こいつ等を他に移せ!」と命令した。
これを聞いたカルーソと取り巻きは激怒し、ブリッツスタインを睨みつけた。
ブランコが後からクラブにやってくるとブリッツスタインが、愚痴をこぼした。
ブリッツスタイン「なんだあいつらは」
ブランコ「やつらはミラノの部下だ」
カルーソはこのトラブルをボスのピーター・ミラノに伝えた。
6月に入ってこの争いについて話し合いが持たれた。
話し合いの席でカルーソが報復のために独断でバイカーギャングを雇っていた事が発覚し、ミラノは激怒した。
「ファミリー外の人間を巻き込むな!」
結局、話し合いでブリッツスタインに有利な裁定がくだされた。
しかし、カルーソはこの件を根に持ち、ブリッツスタインのビジネスを全て奪ってやろうと考えていた。
情報提供者になる
FBIの潜入捜査官のマウラーはシーブリーズクラブに侵入し、ブランコと親しくなることに成功した。
マウラーの得た情報を元にラスベガス警察はブランコを逮捕。
長期の服役を悟ったブランコは情報提供者になることを決意した。
しかし、まだ捜査を続けたいFBIはブランコに潜入捜査の事は秘密にしておいた。
マウラーはそのまま潜入捜査を続行。
マウラーの正体はアンジョレッティも知らなかったという。
ブリッツスタインに迫る危機
ブランコはブリッツスタインが命を狙われているとの噂を耳にしFBIに報告。
FBIはブリッツスタインを24時間監視し、殺害現場を押さえることにした。
そしてある晩、ブリッツスタインの自宅に忍び込むヒットマンを発見。
FBIはあえて殺害させ、実行犯からカルーソ、そしてボスのミラノを逮捕しようと決断した。
そしてこの決断が功を奏し、FBIはロサンゼルスのマフィアを大量に検挙することに成功した。
ヒットマンの証言によるとブリッツスタインは撃たれた後、「なぜ私なのか」と呟いき、それからゆっくりと崩れ落ちたという。
![マフィアグッズ専門店](https://mafia-goods.com/wp-content/uploads/2020/08/PhotoEditor_20200820_084540442.jpg)
ある意味FBIはマフィアよりもワルなのでした
![](https://mafia-goods.com/wp-content/uploads/2021/03/nwdn_file_temp_1615181147179-1024x636.jpg)