バグジー・シーゲルpart2
バグジー・シーゲルpart2
殺人株式会社へ
1931年、バグジー、ルチアーノ、ランスキー、コステロは旧世代のマフィアのボスを打倒し、人種に囚われない組織作りをしようと考えた。
4月15日、バグジーはレストランに乗り込み、食事中のジョー・マッセリアを射殺。
9月10日にはアメリカ最大の勢力を率いたボス サルヴァトーレ・マランツァーノを暗殺した。
マランツァーノを暗殺した男四人はいずれもバグズ&マイヤーギャングのメンバーだった。
中にはバグジーも暗殺に参加したとの説もあるが、真相は謎である。
こうしてバグジーの活躍により、ラッキー・ルチアーノはマフィアの大ボスに出席。
以後、アメリカの暗黒街ではユダヤ系でもビジネスへの参加が許されるようになった。
ルチアーノが主導する新しい時代が来るとバグズ&マイヤーギャングは殺人株式会社へと変貌した。
殺人株式会社とはマフィアの依頼を受け、殺しを行う組織。
また、ルチアーノは殺人株式会社を介さない殺しを禁止することで、ファミリー間の戦争が起こるのを防ごうとしたのだ。
バグジーはこの殺人株式会社に所属し、殺し屋として活躍してゆく。
殺しのオンパレード
1932年2月28日、バグジーは大物ギャング ワクシー・ゴードンと不和になった。
武力では負けると判断したゴードンは、ランスキーとバグジーの脱税に関する情報をIRSに提供。
さらに殺し屋のファブリゾ兄弟を雇い、二人の暗殺を命じる。
だがバグジーはファブリゾ兄弟を追い詰め、殺害した。
しかし、ファブリゾにはもう一人 トニーという兄弟がいた。
トニーは回顧録を書き、それを弁護士に渡した。
この回顧録は、バグジーと殺人株式会社の仕事が詳細に記されていた。
だが、トニーの計画はバグジーにバレてしまう。
1932年、バグジーはアリバイを作るために入院。
夜になるとこっそり病室を抜け出し、ファブリッツォの家を訪ねた。
バグジーはドアをノックすると、刑事の振りをしてトニーを外に誘い出し、銃殺した。
1935年にはルチアーノとダッチ・シュルツの依頼で高利貸しのルイス・プリティ・キャンバーグとジョーセフC・アンバーグを射殺。
その後も、次々と殺人を繰り返すバグジーは次第に追い詰められて行く。
1936年、バグジーは数々の殺しの報復を逃れるためカリフォルニアへ拠点を移すことに。
ロサンゼルスのビジネスを拡大したいと考えていたルチアーノとランスキーもこれに賛成。
バグジーにビジネスを拡大させるよう依頼した。
そして、単身移住したバグジーは自身の生きる意味と向き合う。。
バグジー、カリフォルニアへ
カリフォルニアへ降り立ったバグジーは、まずロサンゼルスファミリーのボス、ジャック・ドラグナの元へ向かった。
もちろん、現地を仕切るドラグナはよそ者がやってくる事を嫌がっていた。
そこでルチアーノは刑務所からこのようにメッセージを送った。
「彼に協力することが、最善の策だ」
バグジー自身もドラグナのビジネスを奪う気はないと保証した。
しかし、大人しくしてはいられないのがバグジーという男である。
彼はシカゴのマフィア“アウトフィット”と取引し、メキシコからの麻薬取引のルート作ってやることに。
おまけに売春宿もオープンさせた。
昇り調子のバグジーだが、思わぬしっぺ返しを食らってしまう。
1946年、アウトフィットはバグジーがギャンブルビジネスの為に利用していたコンチネンタル・プレス社を買収。
当時は競馬の結果をいち早く知るために通信会社の協力が必要不可欠でした
そして会社をドラグナに引き渡した。
実の所、アウトフィットとドラグナな深い絆で結ばれており、バグジーは嵌められたのだった。
バグジー、ハリウッドへ
マフィア界とは異なり、ハリウッドはバグジーを快く迎え入れた。
バグジーは上流階級に歓迎され、映画スターと親交とも親交を深めることに。
ジョージ・ラフト、ゲイリー・クーパー、ジャック・L・ワーナーなどハリウッドの大物たち。
加えて、女優からも大人数だった。
あるときバグジーは社交界の名士ドロシー・ディ・フラッソ伯爵夫人と関係を持った。
1938年、伯爵夫人の誘いでバグジーはイタリアに渡る。
そこでムッソリーニに会い、武器を売ろうとした。
また、バグジーはナチスのヘルマン・ゲーリングとヨーゼフ・ゲッベルスに会い、後に殺すと申し出た。
幸いにも、伯爵夫人の必死の訴えにより殺害は踏みとどまっている。
ビジネス面でもハリウッドはバグジーにうってつけだった。
彼は、映画スタジオから恐喝する計画を考案。
労働組合を乗っ取り、ストライキを起こさせ、スタジオに金を請求するというスキームを編み出した。
一説にバグジーは一年で40万ドル以上を恐喝したとされている。
グリーンバーグ殺人事件
1939年11月22日、バグジー、ホワイティ・クラカワー、フランキー・カーボ、アルバート・タネンバウムは、ハリー・グリーンバーグを殺害した。
映画「バグジー」とは異なり、殺害場所は彼のアパートの外だった。
以前より、グリーンバーグは警察の情報提供者になると仲間に漏らしており、殺人株式会社のリーダー ルイス・バカルターが殺害を命じたのだ。
しかもタネンバウムは殺人を警察に自供し、バグジーに対しても証言することに同意していた。
そこでバグジーは進んで殺しに参加したのだが、1941年9月に裁判にかけられることとなってしまう。
だが、そんな事で落ち込むバグジーではない。
刑務所に勾留されたバグジーは、賄賂をばらまき楽しく過ごしていた。
食べ物は料理人を呼び、その場で作らせる。
好きなときに女性と二人きりで過ごせる。
さらに“歯医者にゆく”という名目で、外出もしていた。
そうしているうちに、殺人株式会社は事件の目撃者二人を処刑。
バグジーは不起訴となった。