世界で一番危険なネコ
写真に写っているのは世界で一番危険と言われている猫だ。
このタトゥーには意味がある。
ロス・メキシクルスというギャングの一員であると言う意味だ。
この猫は、毛皮がないことで知られる高価なスフィンクス種で、以前はギャングのリーダーが飼っていた。
デ・ラ・クルスとその一味は、メキシコの犯罪組織、シナロア・カルテルと組んでメキシコ北部の都市、シウダード・フアレスを支配していた。
デ・ラ・クルスは、シロアナ・カルテルの暴力装置として、数多くのライバルを葬った。
しかし逮捕されてしまい、2010年12月かな懲役224年を言い渡された。
デ・ラ・クルスは獄中で「何か権力を誇示する方法はないか」と考えるように。
服、宝飾品、女さまざまな物を試したが、最終的に猫にいきついた。
か弱い動物の猫に誰も手出しができないのは、最高の権力の誇示になると考えたからだ。
デ・ラ・クルスは猫を飼い、タトゥーを入れた。
ギャングたちが猫を拘束し、デ・ラ・クルスが直々にタトゥーを入れたという。
飼い主との別れ
2023年1月1日、新年を迎えた直後、ギャングたちが刑務所を襲撃した。
10人の看守が殺され、その混乱に乗じてデ・ラ・クルスを含む20〜30人の受刑者が逃げ出した。
その4日後、警察はシウダー・フアレスで隠れ家でデ・ラ・クルスを見つけ、銃撃戦に発展。
激しい争いの末、デ・ラ・クルスは射殺された。
その後、警察は刑務所の現場検証を開始し、さまざまな禁制品を独房から見つけた。
1,000ドルのスニーカー、スピーカー、酒、タバコ、そしてそれらを密輸するための秘密のトンネルなどだ。
しかし、警察が何よりも驚いたのは、刺青の入った猫を見つけたことだ。
猫は現在、動物愛護団体に引き取られ、秘密の場所で飼われている。
飼い主を募集したところ応募が殺到し、審査の結果、猫はある家族のもとに預けられることになったという。
「残念なことに、彼らはこの猫を外に出すことはできない」と警察はメディアに語っている。
デ・ラ・クルスが亡くなった今、この猫の居場所を突き止めたライバルギャングが襲撃しにくるかもしれないからだ。