マフィアと硫酸
マフィアと硫酸
よく映画やドラマで見る‘硫酸をかけたぜ’というエピソード。
マフィアが硫酸を使うのはフィクションだけではありません。
今回はマフィアが硫酸を使用した事件を紹介していきます。
ちなみにこのエピソードは映画「アイリッシュマン」の原作にも登場しています
事件の発端
1956年4月2日、チャールズ・トゥソというマフィアが、元強盗ゴンドルフォ・ミランティが経営するローワーイーストサイドの菓子店を訪れた。
トゥソはミランティに「1,000ドル稼ぎたいか?」と尋ねた。
ミランティは「それは状況次第だ」と返答。
トゥソは「仕事は誰かに酸を投げることだ。だが仕事を引き受けるまで相手は教えれない」と話した。
この仕事の本当の依頼主はトュソのボス であるジョニー・ディオ。
彼はチームスターズのジミー・ホッファの友人で、彼の不正を暴こうとする者達にメッセージを送るつもりだった。
ミランティはこの仕事を引き受けた。。
事件当日
4月5日、新聞のコラムニスト ビクター・リーゼルの顔に何者かが硫酸をかけた。
硫酸は目に入りリーゼルを永久に視力を失うことに。
リーゼルが襲われたのはランダムにターゲットを選んだ結果ではない。
リーゼルはFBI長官のJ.エドガー・フーバーともコネクションを持っていて、近々法廷で証言する予定だったのだ。
なぜ硫酸を使うのか
なぜ硫酸が使用されたのか。
これにもしっかりとした理由があった。
ミランティはこう語る。
仕事を受けた日の真夜中、「スキニー」と呼ばれる男が紙袋を持って店にやってきた。
紙袋の中身は酸でいっぱいの小さな茶色のボトル。
スキニーは何も言わずに去った。
ミランティによると「酸を投げるのは男にパンチをくれてやるよりも有効だ。それはより速く、より手っ取り早い。それを投げて走るだけだからな」
しかし実際には言うほど計画は上手くいっていない。
ミランティはデルヴィという仲間を伴って仕事に望んだのだが、その仲間は硫酸を投げた際に飛沫を浴びて、火傷を負ってしまったのた。
事件の後
ミランティは仕事を終えるとフォーサイス通りのバーでジョニー・ディオと落ち合った。
ジョニー・ディオはミランティに500ドルの現金渡した。
一方、デルヴィは火傷に苦しむも、事件が大々的に報じられたので病院にも行けない状態に。
結局は逮捕されなかったものの、射殺され口封じされてしまった。
残されたミランティやジョニーも逮捕。
一応事件は解決を見た。
一方リーゼルは痛々しい姿になったものの、タイプライターを使い文書を執筆したり、メディアに出演し組織犯罪の撲滅を訴え続けた。
ジミー・ホッファはこれについて「タイプ出来ないように手にも硫酸がかかれば最高だったな」と話している。
リーゼルは1970年代にニクソン大統領の労働顧問を務め1990年に引退。
1995年に81歳で亡くなった。