マーダーインク(殺人株式会社)の全貌

マーダーインク(殺人株式会社)の全貌

マーダーインク(殺人株式会社)とは

マフィアグッズ専門店
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今回は、殺人株式会社ことマーダーインクについて解説していきます。

殺人株式会社のメンバー達

マーダーインクとは?

マーダーインクとは?

ズバリ、殺人を引き受けるプロ集団。

250人以上の殺し屋が所属し、800人以上を殺害している。

マフィアのボス ラッキー・ルチアーノが「争いは話し合いで解決し、殺しは控えるべきだ」と提唱したことをきっかけに作られたそうで、

これにはマフィアが直接、殺しに関わらないことで逮捕のリスクを抑えると共に、勝手な殺しを禁止するという意味合いがあった。

メンバーの大半はマフィアの正規メンバーになれないユダヤ系で構成されている。

マーダーインク結成までの流れ

ルイス・バカルター
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結成までのおおまかな流れは以下の通りです。

ユダヤ系でルチアーノの右腕 マイヤー・ランスキーが率いた“バグズ&マイヤーギャング”が前身。

“バグズ&マイヤーギャング”は暴力的な仕事を引き受ける下請け組織だったが、ルチアーノがボスとなったことをきっかけに、より洗練されたプロの殺し屋集団となった。

当初はマイヤー・ランスキーがマーダーインクのリーダーとなる予定だった。

しかし、頭の切れることで知られるランスキーが最強の暴力装置を持てば、彼が独裁政治を行うのではと恐れたマフィアボスたちから反発を受ける。

そこでランスキーは人当たりの良いユダヤ系マフィア ルイス・“レプケ”バカルターをリーダーに指名。

さらにボスたちを安心させるべく、イタリア系のアルバート・アナスタシアを副リーダーに指名した。

マーダーインクの組織形態

マーダーインクの本部は老婆が経営する24時間営業の駄菓子屋“ミッドナイトローズキャンディストア”。

殺し屋たちは週給のサラリー制で働いていた。

サラリー制なのは、金に困った殺し屋たちが無断でビジネスを始め、逮捕されるのを防ぐためである。

殺しを行った時は歩合給として、一件あたり1,000ドルから5,000ドルがボーナスとして上乗せされる。

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当時の5000$は現在の2億5000万円に相当します

仕事の流れも会社のようにしっかりしていた。

まず、リーダーのバカルターが殺しの依頼を受ける。

次にバカルターは、適任の殺し屋を選び派遣する。

そして派遣された殺し屋は、仕事が終わるとキャンディストアでモルトミルクと呼ばれる大麦のミルクシェイクで休憩。

キャンディストアの前にはいくつも電話ボックスが並んでおり、やがて1つが鳴り始める。

 殺し屋は電話に出て、結果を報告すると帰宅できる。

という風にまさに会社の様な運営体制となっていた。

数千件の暗殺が行われたとの説もあるが、手口は巧妙でほとんどが未解決事件、事故で処理されたようである。

マーダーインクの福利厚生

マーダー・インクは福利厚生も上場企業並みに用意されていた。

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やっぱり殺し屋家業はストレスが多いですからね

バカルターは社員旅行をちゃんと企画し、プロホッケーやプロボクシングの試合観戦などにメンバーを連れて行った。

また、バカルターは殺し屋達の家族問題などプライベートな悩みの相談にのりメンタルケアもしていたという。

加えてメンバーが法的トラブルに巻き込まれれば、いつでも一流の弁護士を付けてもらう事が出来た。

マーダーインクの殺し屋紹介

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ここからは、マーダーインクに所属した殺し屋たちを紹介していきます。

・ルイス・“レプケ”・バカルター


マーダーインクのリーダー。

お母さんっこで人当たりが良く、メンバーたちから愛されていた。

あだ名のレプケは「小さな」という意味。

リーダーに指名される以前は、企業の恫喝を主な仕事としていた。

・アルバート・アナスタシア

マーダーインクの副リーダー。

誰よりも規律を重んじる一方、キレると手が付けられない男でマフィアからも恐れられた。

あだ名は「マフィアの死刑執行人」、「1人の軍隊」

殺しをするときは、素手で相手を殴り殺す事を好んだ。

これには実利的な面もあり、素手で殺せば凶器が残らないので犯人を特定されづらかった。

・ベンジャミン・“バグジー”・シーゲル

後にラスベガスを創るイケメンマフィア。

胃にアイスピックで穴をあけると、水に沈んでも浮かんでこないことを発見した。

・フランク・アバンバダンド

あだ名は“ザ・ダッシャー”。

警官が相手でも突撃し、ボコボコにしたことからそう呼ばれていた。

アイスピックで心臓を一突きし仕留める方法を得意とした殺し屋。

一突きで仕留めるが、一突きしかしないわけではない。

1937年に警察に寝返ろうとしたジョージ・ラドニックを殺害した際には、63回もアイスピックを突き刺し、それから顔が原型をとどめなくなるまでシャッターに挟んで押しつぶした。

・アニエロ・デラクローチェ

後にガンビーノファミリーのアンダーボスを勤める人物。

最後まで生き残った数少ないメンバー。

・ハリー・シュトラウス

マーダーインクのエース。

500人を殺害したと言われている。

ストラウスは決まった武器を持たない殺し屋で、ロープ、アイスピック、ナイフ、銃など臨機応変に最適な凶器を選択していた。

彼の殺しはほとんどが未解決なので、詳細は少ない。

ヘンリーヒルが話した映画好きのターゲットを殺したケースでは、ストラウスはターゲットの後ろの座席に座り、後頭部、首の付け根にそっとアイスピックを突き刺した。

ターゲットが死んだことは上映後まで誰も気が付かなかったという。

スロットマシンのフレームに標的を縛り付け、沈めたというエピソードも有名。

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・マーティン・“バグジー”・ゴールドスタイン

あだ名はシーゲルと同じ「バグジー」

ある時、ゴールドスタインは標的に反撃され、撃たれ負傷した事があった。

彼は撃った男を生きたまま袋に入れ、砂浜へ埋めた。

・サミュエル・レヴィン


地味だが腕は確かな職人的殺し屋。

凶器は主に拳銃。

ダッチ・シュルツやサルヴァトーレ・マランツァーノなど、大物を確実に仕留めたい時に起用されている。

・シーモア・マグーン


詳細不明な末端の殺し屋。
死亡時期は不明だが、2003年にラスベガスで骨が発見された。

・ハリー・“ハッピー”・マイオーネ

あだ名のハッピーは、めったに笑わない事を皮肉ってつけられた。

女装姿で相手に近づき、息の根を止める殺し方が有名。

女だと思いドアを開けたターゲットは男であることに気が付くが時すでに遅し、ピストルで瞬時に頭を打ち抜かれた。

ちなみに、彼は生涯、女装したことを認めたがらなかった。

・アルバート・タネンバウム

しゃべりだしたら止まらない話好きで、うるさい秒針の様だったことから“Tick Tock” というあだ名がついていた。

最初は週給35ドルの見習いだったが、実績を積み週給125ドルまで昇給した。

・ルイス・カポネ

マーダーインクの人事担当。

若手のスカウトを担当していた。

表の顔はカフェの店長で、子供には無料で食事を提供するなど評判の良い人物だった。

しかし、時には子供を殺し屋家業に誘うこともあったという。

エイブ・レルズ

地味な殺し屋だったが、逮捕されると寝返り政府の証人になった。

レルズは寝返った後も自分の殺しを「芸術的だ」とよく自慢していたという。

彼の証言により、バカルターを始め、多くの殺し屋が電気椅子へと送られた。

その後、レルズは警察に保護されホテル暮らしをすることに。

しかし、その他の仲間を釈放させるべく、ルチアーノがレルズの口を封じる為の策を講じる。

その結果、レルズは買収された警官達にホテルの窓から投げ出された。

当時の新聞記事

レルズの死は事故として処理され、今も未解決のままだ。

それに満足したルチアーノは、皮肉にもこの殺しを「殺しの芸術だ」と評した。

また、「歌は上手いが空は飛べなかった」とも評されている。

髭の伸びたシュトラウス。法廷にて。
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ちなみに映画「ワンスアポンアタイムインアメリカ」に登場したマックスも、史実ではマーダーインクの一員となっています。

その後のマーダーインク

エイブ・レルズの証言によりルイス・バカルターが処刑されると、アルバート・アナスタシアがボス代理を務めた。

しかし、レルズの影響によりマーダーインクが周知されてしまったため、仕事がやりづらくなり、間もなく解散し、残った殺し屋たちは各ファミリーに吸収された。

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