書籍「コーザノストラ」レビュー ラッキールチアーノとデューイの闇

「コーザノストラ」レビューラッキールチアーノとデューイの闇

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こんにちは!
今回は書籍「コーザノストラ」を紹介していきます。

「コーザノストラ」内容

こちらの本の執筆者の一人は映画「コーザノストラ」の監督 フランチェスコ・ロージ。

映画「コーザノストラ」についてはこちら

フランチェスコ・ロージ監督

本書は映画「コーザノストラ」の原作本のような内容で、ラッキー・ルチアーノの追放から亡くなるまで、そしてヴィト・ジェノベーゼのイタリア時代を描いている。

しかし一番のテーマはラッキー・ルチアーノではなく、ルチアーノ釈放を巡るデューイ知人と麻薬取締り局、キーフォーヴァー委員会の政治的な攻防。

「ルチアーノを追え、デューイが我々を追う、キーフォーヴァーはデューイを。結局回り回って元通り。永遠に堂々巡りさ。」 映画「コーザノストラ」より

本の内容の多くは公式な書類の引用や裁判記録を書き出したものなので、内容はかなり堅苦しいものとなっています。

ラッキールチアーノ

イタリアでのヴィトジェノベーゼについてはこちら

見所

本書の見所は「ルチアーノ、デューイと私」という最後に収録されているコラム。

ここでは〝ラッキールチアーノやマイヤーランスキーなどのマフィアが海軍に協力した〟という説を真っ向から否定し、造られた神話だと否定している。

単純にトーマス・デューイ知事は金を貰いルチアーノ釈放に手を貸した。

そしてその結果、ルチアーノはイタリアからアメリカに麻薬を密輸するようになった。 つまりアメリカを麻薬漬けにしたのはデューイだ! という主張が繰り返されている。

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映画でもこの件が言及されていました。

またデューイはラッキールチアーノについて書いた本から不都合な部分を切り取り、都合の良い内容を付け加えた。とも記されている。

具体的にはデューイとルチアーノを英雄視し、麻薬取締局を悪者にする内容。

この改作されたという主張は信憑性のあるもので、映画「コーザノストラ」も検閲され一部のシーンをカットされている。

とはいえ本書が麻薬取締り局寄りなのも事実。。

トーマスデューイ

その他、本書ではラッキールチアーノやマフィアの通説を覆す主張が多く登場する。

例えばデューイの主張によると、ラッキールチアーノがサルヴァトーレ・マランツァーノに拷問され、死にかけた事件。

この時ルチアーノは頬を切り裂かれ、それ以来右の瞼が垂れ下がるようになってしまった。

この件は麻薬取締り局がやった。というのがデューイの主張。

ちなみに映画ではラッキールチアーノが「マフィアではなく、警察にやられた」と話すシーンが登場する。

まとめ

ラッキー・ルチアーノ、海軍、デューイ、麻薬取締り局とキーフォーヴァー委員会。

政治的なしがらみと嘘により真実は今も闇の中である。

さらに本書には様々な説が登場するので、より一層何を信じればいいのか混乱してしまう。

そこがこの「コーザノストラ」の面白さのひとつ。

映画「コーザノストラ」自体もかなり解りづらい構成になっているのですが、本書を読めばかなり理解が深まると思います! (本書も読みやすい本ではないですが。。)

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という訳でラッキールチアーノマニアの方にオススメの一冊でした!

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