世にも奇妙なマフィア

世にも奇妙なマフィア

失踪

7歳の少女、ポーリン・デイキン。

彼女が目覚めると両親はおもむろにこう告げた。

「旅に出るぞ、今すぐだ」

ポーリンは両親とともに住まいから1,600キロ以上離れたウィニペグへ。

到着すると父のウォーレンは、母のルースとポーリンを車から降ろしこう告げたという。

「もう二度と戻れない、お別れだ」

突然のことに戸惑うポーリン。

すると母ルースはこう付け加えた。

「ごめんなさい、今は言えないの、あなたが大きくなったら話すわ 」

再会

それから16年後。23歳になったポーリンは大学を卒業し、地方新聞社で働いていた。

そんなある日、母ルースからこんな手紙が届く。

「全てを話すときが来たわ、〇日〇時、指定のカフェに来て」

訳もわからずポーリーンがカフェに到着すると、母親は既に席についていて手招きした。

そしてポーリンに座るよう促すと茶封筒を取り出した。

ポーリンが茶舞踏を受け取り中をのぞくと、メモ紙が。

そこには 「何も言わないで。宝石は外して封筒に入れて。説明するから、何もしゃべるな。」

それからルースはポーリンをモーテルの一室に連れて行いった。

扉がゆっくりと開く。

するとそこにはポーリンのみ知った顔があった。

部屋で待ち構えていたのは数年前からお世話になっているカウンセラーのスタン・シアーズという老人。

スタンは微笑むと全てを明かすときが来たんだと述べた。

「宝石を外してもらったのは盗聴器が仕掛けられていたからだ。さて、どこから話そうか」

ポーリン・デイキン

16年前のこと。

カウンセラーをしていたポーリーンの父ウォーレンの元にある客がやってきた。

この客の正体は、実はマフィアの幹部。

彼は組織に秘密で、こっそりとカウンセリングに通いたいと頼み込んできたのだという。

父のウォーレンはこれを了承。だが間もなくして客のマフィアは秘密を漏らした疑いで暗殺され、ウォーレンも命を狙われることとなってしまう。

そこでウォーレンは政府が所有する、保護対象だけが暮らす田舎町で匿われることに。

家族はスタンらエージェントに見守られながら、日常生活に戻ることになったのだという。

またスタンはこうも教えてくれた。

「そういう隠れたコミュニティは世界中にあるんだ。お父さんは今もコミュニティを転々としながら生活している」

暗殺の危機

そうは言われても信じられないポーリンにスタンはこう問いかけた。

「ケチャップやマスタードが腐ったことはないかい?

だがよく考えてほしいんだが、ケチャップやマスタードはそんなに簡単に腐らないよね。

君が購入するケチャップやマスタードがすぐに腐るのは、毒を入れられていたからなんだ。

君はこれまで何度も暗殺されかけ、我々に助けられている」

それからスタンは入れ替わりについても教えてくれた。

なんとルーズの周辺人物の何人かはすでに殺害されているものの、整形手術をほどこしたコミュニティの住人と入れ替わっているのだという。

そうして社会復帰した住人はコミュニティのために旗荒くエージェントとなる。

そんな風にしてポーリンは守られてきたのだとという。

後編へ続く

あわせて読みたい

カテゴリ