ブファリーノファミリーの栄光

ブファリーノファミリーの栄光

ブファリーノファミリーの栄光

1975年頃、ラッセル・ブファリーノは最も力を持つマフィアと言われ、さらにはジェノベーゼファミリーのボスであるとされていた。

この情報はペンシルベニア州組織犯罪委員会が1980年に書いた報告書に基づくもので、中にはこう記載されている。


「マガディーノ…またはジェノヴェーゼファミリーはもう存在しません。
これらのファミリーのメンバーは現在、ラッセルブファリーノの管理下にあります」

この情報は結論からいうと間違いなのだが、ラッセルがそう誤解されるほどの権力を持っていたというのは確かである。

ラッセルブファリーノ(左)

情報筋はこの頃ラッセルは3つ以上のファミリーの指揮を執っていたと説明している。

一つ目はペンシルベニア州ピッツトンに拠点を置くブファリーノファミリー。

二つ目はバッファローのマガディーノファミリー。

1972年7月にボスのステファノ・マガディーノが去ったあとファミリーの指揮権は一時的にラッセルとファットトニー・サレルノに引き継がれたのだ。

三つ目は前述したジェノベーゼファミリーである。

複数のファミリーを指揮したとはいえ、ラッセルはコミッションのメンバーではなかった。

しかし最高裁判所のようは役割を担っており、コミッションで問題が解決できない時には最終決定を下していたという。

ジェノベーゼファミリー

1969年2月にヴィト・ジェノベーゼが死亡した後、ファミリーのボスはフィリップ・ロンバルドという男が勤めていた。

ロンバルドは1981年に彼が死ぬまでボスを勤めたが、表舞台には出ず他のマフィア達もボスが誰かを知らなかった。

ロンバルドはフロントボスにファットトニー・サレルノを指名しており、FBIや他のファミリーはトニーをボスと信じていた。

ロンバルドの死後はヴィンセント・ジガンテがボスに就任。

ちなみにファットトニーは映画「アイリッシュマン」で描かれたように獄中で死亡した。

ではなぜブファリーノがジェノベーゼファミリーのボスであると誤認されたのか。

それはラッセルの生い立ちにまで遡る。

ラッセルはペンシルベニア州北東部で産まれた。

そしてラッセルは駆け出し時代をベンシルベニアで過ごすのが、その辺りにはジェノベーゼファミリーが深く食い込んでおり、端から見ると地元のファミリーとジェノベーゼファミリーの見分けがつかなかった。

さらにラッセルは成功するとニューヨークでの事業にお金を投資するようになり、多くの時間をニューヨークで過ごしていた。

これではFBIが誤解するのも無理はない。

また元ジェノヴェーゼのボスであるフランク・コステロとラッセルは共同で縫製事業に投資を行っていたこともあった。

二人とアルバート・アナスタシアはペンシルベニア州の非組合加入の衣類工場をを所有しており、ニューヨークのマフィアとはかなり親しい付き合いをもっていた。

ラッセルとコステロ

コステロ、アナスタシアが去ったあともラッセルはニューヨークにドレスショップやジュエリーショップを所有していた。

映画「フェイク」の主人公として知られるジョー・ピストーネによると、ラッセルは用心深く人前や電話で商談をすることは絶対になかった。

また、盗品のダイヤや宝石を鑑定できるように、いつも虫眼鏡を持って歩いていたという。

ラッセルの逮捕

1978年、ジャック・ナポリは恐れ多くもラッセルのダイヤを盗み、驚くべきことにラッセルとの話し合いに現れた。

ナポリはラッセルよりもはるかに巨漢だった。

しかしラッセルは怒り狂い「ダイヤを返さないなら殺してやる、クソヤロウ、この手で殺してやる」と脅しをかけた。

しかし知っての通りこのダイヤ泥棒は罠であり、ナポリは盗聴器をつけていた。

そしてラッセルは刑務所へ送られた。

さらに悪いことにその後、ラッセルはナポリの殺害をジミー・フラチアーノに依頼した。

フラチアーノはナポリ殺害の為に全力を尽くしたが、ナポリは寸での所で高跳びしてしまう。

加えて、フラチアーノはFBIに寝返り、ナポリ殺害の件を証言してしまう。

こうしてラッセルは死ぬまで刑務所に送られたのだった。

幻のファミリー

ウィリアム “ビッグビリー”デリア

ラッセルの死後、ブファリーノファミリーはどうなったのだろうか?

ラッセルの後を継いだのは、運転手を長年勤めていたウィリアム “ビッグビリー”デリアだった。

しかし、2006年にデリアはマネーロンダリングで起訴され、2008年には司法取引で有罪を認め証人に寝返った。

そしてどうなったのか?
驚くべきことに“今日のブファリーノファミリーはほぼ壊滅状態である”と言われている。

かつて栄華を極めたブファリーノファミリーは今後どうなってゆくのでしょうか。。

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