三分で学ぶアメリカギャングスター ヴァーン・ミラー編
三分で学ぶアメリカギャングスター
ヴァーン・ミラー編
ミラーは知名度ではデリンジャーなどに劣りますが、興味深い交遊関係を持つ人物でした。
これまでのギャングはこちらから
ヴァーン・ミラーの生い立ち
1896年8月25日、ヴァーン・ミラーはサウスダコタ州に生まれた。
1916年までは自動車の整備士として暮らしていた。
仕事を辞めた後、ミラーは陸軍に入隊。
1918年には第一次世界対戦に参加し、軍曹にまで昇進した。
除隊後は警察官として働き、1920年5月には保安官に立候補し当選を果たした。
しかし突如、全てが嫌になったミラーは警察署にあった金を持って逃亡。
1923年4月4日に逮捕され、一年半服役した。
こうして順風満帆だったミラーの人生が一変した。
ガンマン
出所後のミラーはマフィア ルイス・バカルターの用心棒の職に就いた。
バカルターもかなり面白い人物なのでぜひご覧ください
ミラーの銃の腕は並外れており、マシンガンで紙に自分の名前を描けたと言われている。
1930年5月31日、ミラーの友人マクラフリンがシカゴマフィアに殺害される事件が起こる。
ミラーは報復としてマフィア三人を撃ち殺した。
この事件はフォックスレイクの虐殺として知られている。
ここからミラーの快進撃が始まる。
1930年7月15日、銀行を襲い70000ドルを強奪。
8月13日には銀行を襲った仲間3人を射殺。
1930年9月9日、1931年4月8日、1932年12月16日にも銀行を襲撃。
ミラーは誰も手のつけられない殺戮兵器と化していた。
カンザスシティの虐殺
人相もかなり変わりましたね
そんなミラーの元へシカゴのギャングから依頼が舞い込んだ。
それは刑務所に移送されるフランク・ナッシュという男を救いだしてほしいというもの。
ナッシュはミラーの旧友でもあった。
1933年6月17日、ミラーは部下を引き連れミズーリ州ユニオン駅に到着した移送部隊を襲撃。
激しい銃撃戦の末、移送部隊を全滅させた。
しかし肝心のナッシュも流れ弾で死亡してしまっていた。
この大事件はカンザスシティの虐殺として今も語り継がれている。
マフィアとガンマン
大仕事を終えたミラーはルイス・バカルターを頼り、隠れ家を得た。
しばらくは堅気の人間を装っていたミラーだったがFBIに潜伏先を急襲され、再び逃亡生活に戻ることに。
この間、レプケはミラーをヨーロッパへ高飛びさせる手はずを整えていたという。
また、潜伏中は地元のマフィアと抗争をしていという説も。
ミラーはとにかく敵の多い人物だったのだ。
凄惨な最期
11月29日、警察はミシガン州の道路脇の溝で無残な姿に変わり果てたミラーを発見した。
身体はバラバラにされ、手の指は全て叩き潰されていた。
ミラー殺害事件は未だ未解決だが、部下をフォックスレイクの虐殺で殺されたアル・カポネの報復ではないかと言われている。
ミラーが高飛び直前に何者かに襲われ、拷問を受けたことは間違いないが、事件は今も未解決のままである。