フランク・シナトラ マフィアとズブズブの男
フランク・シナトラ マフィアとズブズブの男
1月3日に発売された書籍「フランク・シナトラとマフィア殺人事件」の共著者であるマイク・ロスミラー氏は、本の中で興味深いシナトラのエピソードを疲労している。
1970年代半ばのある夜、ラスベガスのカジノで、泥酔したフランク・シナトラが暴れだした。
シナトラの取り巻きであるディーン・マーティンやサミー・デイヴィス・ジュニアでも手をつけられない荒れ狂いっぷりだったそうだ。
そしてディーラーにこのように息巻いた。
「俺の仲間にはマフィアがいるんだぞ」
この言葉は真実だった。
そして翌日、シナトラはこのトラブルを揉み消すべく仲間のマフィアを頼ることとなった。
彼が頼ったのは、シカゴマフィアのボス、サム・ジアンカーナ。
ジアンカーナはコネを使い、うまくカジノのディーラーに口止めしたようだ。
マフィアとシナトラ
こうしたシナトラとマフィアの関係の始まりは、1940年代にさかのぼる。
ルチアーノファミリーのボス、チャールズ・”ラッキー”・ルチアーノは、駆け出しのシナトラに惚れ込み、5万ドルを出資した。
以後、シナトラはマフィアに憧れ、なんでも言うことを聞くようになった。
著者の一人、ダグラス・トンプソン氏は、シナトラとマフィアの関係について、こんな逸話を提供している。
「ロスミラー氏は元ロス市警の諜報員で、この本の執筆中にシナトラとその仲間たちに関する新しい捜査資料とインタビューを発掘した。
シナトラはギャングのサム・”モモ”・ジャンカーナと信じられないほど親密な関係を持っていたようだよ。
シナトラはジアンカーナに「お前を殺してやる」とか「お前の足を折ってやる」とか、言っていたんだ」
ゴッドファーザーとシナトラ
シナトラの友人、俳優ジョン・マルティーノは、映画「ゴッドファーザー」でポーリー・ガットーを演じた人物だ。
彼は映画のせいでシナトラの怒りをかってしまったのだという。
「ゴッドファーザー」に登場するジョニー・フォンテーンというキャラクターは、シナトラといくつかの共通点がある。
具体的にいうとマフィアと繋がりのあるイタリア系の歌手ということだ。
そのためフランクは馬鹿にされていると感じ激怒。
マルティーノにこう怒鳴った。
「足を折られたいのか、このクソ野郎?」
ちなみに機嫌がいいときは、よくマフィアとの関係を自慢していたという。
「メディアで報道されたマフィアのヒット曲について話すこともありました。
あいつは気に食わないから、仲間を呼んで始末してやった、とシナトラは言うんです」
しかし、ロスミラー氏によるとこんな裏話もあったようだ。
「マフィアの中で、シナトラを殺そいという話が出ていた時期があった。
彼は世間の注目を集めすぎるようなことをしていたんだ」
シナトラは、迫り来る危機を知らなかったわけではない。
シナトラはマフィアにひどく怯えている時期もあった。
通りで誰かが自分に向かって歩いてくると、シナトラはパニックになった。
そして、助けを呼ぶか隠れるためにレストランの中に逃げ込んだこともあったようだ。
しかし、結局それはシナトラの熱狂的なファンであったのだが。
アメリカとシナトラ
アメリカ政府もシナトラのおしゃべりな所を恐れていたという。
ロスミラー氏はこう話す。
「CIAは、すでにマフィアと協力していたので、シナトラがマフィアとCIAの関係を知り、それをリークすることを懸念していた」
1960年代初頭、CIAはジアンカーナと仲間のジョニー・ロゼリを、フィデル・カストロ暗殺計画に採用した。
ここ事実を知ったシナトラは話したくてたまらなくなった。
しかし、ジアンカーナが口止めし、なんとか話すのをとどまらせた。
1963年末には、シナトラの息子、フランク・シナトラ・ジュニアがタホ湖のホテルの部屋から誘拐される事件があった。
この時、シナトラが最初に電話をかけたのは、警察ではなく、ジアンカーナだった。
結局、息子はロサンゼルスで警察に保護されたのだが、ジアンカーナも独自に捜索をしていたそうだ。
これによりシナトラとジアンカーナと絆が深まったのはいうまでもない。