マフィア映画のファッション2
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トミー・デシモーネ
こちらは映画「グッドフェローズ」で、ジョー・ペシが演じたトミー。
このスーツはバッツ殺害シーンで着用していたものである。
このスーツは一見地味だが、シルク特有の艶を兼ね備えている。
そして左手にのみピンキーリングを着用している。
この服装はマフィアの“あまり目立ちたくないが、地味も嫌だ”というスタンスを体現している。
ちなみにマフィアがこの服装を好んだのは1970年代前半と言われているので、時代考証的には少しズレているのかもしれない。
アル・カポネ
ドラマ「ボードウォーク・エンパイア」の前半、駆け出しのチンピラ アル・カポネは毛皮付きの革ジャケットを着用している。
この革ジャケットは厳密にはカーコートと言う。
当時の自動車はオープンカー状態で、寒さを凌ぐために厚手のロングコートを着る若者が多かった。
これがカーコートの由来である。
ちなみに技術が進化するにつれて、カーコートは姿を消すこととなる。
チョーキー・ホワイト
こちらも「ボードウォーク・エンパイア」より。
ナイトクラブを経営する黒人ギャングのチョーキーがタキシードを着用している。
このタキシードの特徴は明るめのネイビーということ。
このドラマは時代考証が正確なことで知られている。
しかし、作品の舞台となる1920年代にはこのような色合いのタキシードはなかったそうだ。
その理由を衣装プロデューサーはこう話している。
「我々は時に、1920年代の服装をよりスマートに見せるための工夫を施しています」
最近では映画007で主人公が明るいネイビーのタキシードを着用するなど、このスタイルは定番になりつつある。
これからタキシードを仕立てる方は、ぜひ真似してみてほしい。
マイケル・コルレオーネ
こちらは映画「ゴッドファーザー」前半のマイケル(アル・パチーノ)。
ウールジャケットにオックスフォードシャツ、下はフランネルパンツというザ・アイビーリーグスタイルだ。
この服装のお陰でよりマイケルの真面目な性格が際立ち、マフィアになった後との違いもはっきり分かるという役割をになっている。
ちなみにアイビーリーグスタイルの時は地味な黒革の腕時計をしているが、ボスになった後はオメガのコンステレーションを着用するようになる。