アルカポネの愛した女の子
ローズマリー
彼女はアル・カポネの事を‘’アルおじさん‘’として慕っていました。
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ローズマリーの生い立ち
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彼女は5歳の頃から子役として全国でショーに出演していた。
マネージャーは父のフランク・マゼッタ。
彼は先妻と2人の子供、元愛人と子供、さらに別の女性から生まれたマリーを養っていた。
実際には6人をローズが養っていたことになる。
ヴォードヴィルサーキット
ローズ・マリーは当時を懐かしんで、こう振り返っている。
「私はシカゴのパレスシアターで働いていました。
(現在はキャデラックパレスシアター)パレスシアターは1926年にシカゴにオープンしました。
1931年に映画館に改装されてしまったけれど。
私はパレスシアターで上演された最後の寄席演劇の1つに出演したわ。
そこでアルカポネと出会いました。
カポネは脱税で有罪判決を受ける数か月前だったわ。」
アルカポネの子役
「私たちがパレスシアターに着いたとき、ドアマンは私に言ったの。
‘’あなたのお父さんに会いたがっている男がいます‘’って。
父と私が外に出て行くとリムジンのそばに大きな男が立っていました。
彼は私の父に‘’こんにちはハッピー‘’と言いました。
私は父に何が何なのか尋ねたの。
でも父は気にするなと。
男はその後こう話していたわ。
‘’男たちは子供に会いたがっている。彼らは彼女を愛していて、彼女に会いたがっています。明日、リムジンで迎えに来ます‘’
対して父は『彼女は1日に4回のショーをします。あなたはショーの前後に送り迎えをしなければならないでしょう』
男は言ったわ。
「心配しないでください、勿論です。
彼女はちゃんとショーに戻って来られます。私は午後4時に彼女を迎えに行きます』
そんな訳で私は貸し出される事になったの。
その後で、私は父にハッピーって誰なの?と尋ねたわ。
父は『それは私の名前。。ハッピーハンク。彼らは私をそう呼んでいるんだ』
私はなぜ?なんでハッピー?と訊いたけれど父は答えなかった。
今でも気になっているわ。
話しているとドアマンが話しかけてきたの。
『あなた達はあれが誰か知っていますか?』
わからないと答えたわ。
するとドアマンは『あの人はアルカポネです』と。
私は言ったわ『ああ、なんてこと!』
子供の私でもカポネの事は知っていて、とても緊張してしまったわ」
アルおじさん
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「翌日、ドアマンが呼びに来て言った。
『カポネの運転手がきた』と。
私たちは黒いリムジンに乗り込みました。
やがてリムジンは茶色い家の前に停まったの。
玄関までにたくさんの階段があったのを覚えているわ。
私たちは階段を上って家に入り、部屋に入りました。
長いテーブルがありました。
あんなに長いテーブルは後にも先にも見たことがないわ。
テーブルには24人の男が座っていました。
全員が私を見ました。
そして私は私の父を見ました。
沈黙の後、アルカポネが現れたの。
『こんにちは、ハッピー』って。
それからアルカポネは微笑んで私を迎えました。
そして彼は言ったの『こんにちは、お嬢さん。
私たちは皆あなたを愛しています。
皆あなたに会いたがっていました』
テーブルの全員が立ち上がって私に手を振るので、私も手を振ったわ。
クレイジーでした。。。
アルカポネは私を抱き、指輪をくれました。
リングには3つのダイヤモンドが入っていたわ。
アルカポネは優しく言ったわ。
『これはあなたのためです、ハニー』
私はありがとうって返したの。
するとカポネは自分をアルおじさんと呼んで欲しいって。
だから答えたわ。
アルおじさん、了解しましたって」
メエ・カポネ
その瞬間にアル・カポネの妻、メエ・カポネが部屋に入ってきたの。
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彼女は現れるなり『メエおばさんですよ。私は彼女を何と呼びましょうか?』
カポネは振り返ってこうかえした。
『うるさい』
カポネはずっと私を抱いていて、耳元でこう話してくれたわ。
『私たちはあなたの面倒を見るつもりです。何も心配しないでください。
何か必要なら私に言いなさい。』
それから父に『これからは、何も心配しないでください。
彼女は大丈夫。
私たちは彼女の世話をします』と。
父はありがとうって答えてたわ。
別れ際アルカポネは『忘れないで、私をアルおじさんと呼ぶんだよ』と言いました。
この数ヶ月後、カポネは服役した。
けれど約束通り、どこで公演していてもあの時テーブルにいた誰かが見守りに現れたの。
それは私が大人になった後も続いたわ。」
コパカバーナのフランクコステロ
ローズマリーはニューヨークのコパカバーナで働いていた時期がある。
その際に彼女はフランクコステロと関わりを持ったという。
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フランクは彼女にいつも同じ質問をしていたそう。
『何か食べたいですか?何か飲み物は?何か私にできることはありますか? 』と。
きっとコステロも彼女を気に入っていたのだろう。
コパカバーナでは他にもマフィアとの出会いがあった。
ある日、彼女が夕食を食べているとそしてマネージャーが近づいてきて「あなたに会いたがっているフィッシャーさんがいます」と言った。
フィッシャーの名に心当たりはないものの一応会うことに。
会ってみるとその正体はシカゴのマフィア ジョー・フィシェッティだった。
「ジョー、名前を変えたの?」とマリーは尋ねたが、 「私はジョー・フィッシャーです」としか返答を貰えなかった。
心配性のマフィア
ジョーはマリーを質問攻めにした。
「何か欲しくないか?
何か必要?
フランクコステロはあなたを正しく扱いますか?
食べたい物は?」
マリーは笑って「大丈夫」とだけ答えた。
どうやらジョーはマリーの安否を確認したかっただけの様だった。
それからジョーはマリーの仕事について質問を始めた。
ジョー「あなたは次にどこで仕事をしますか?」
マリー「決まっていないの」
ジョー「リノかタホに行くといい。
私たちの所有するクラブがあるよ」
シカゴのマフィア達は常にマリーに仕事先を提供してくれたという。
それはカポネとの約束の効果だったのかもしれない。
最後にマリーはシカゴのマフィア達、アル・カポネ、バグジー・シーゲル、フランク・コステロについてこうまとめた。
「彼らが何者かー。どんな評判があるかは知っています。
でも私は彼らの全てを愛していました。彼らは素晴らしかったわ。
私は女王のように扱われました。
彼らは私の父よりも保護者らしかった。」
ローズ・マリーは2017年12月28日に94歳で亡くなった。
生涯マフィア達との思い出を大切にしていたという。
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