マフィアに学ぶ 悟りの世界 泥中の蓮
突然ですが、蓮の花を見たことはありますか?
蓮の花には、泥中に咲くという特徴があり、その様子を表した「泥中の蓮」という言葉もあるんです。
今回は禅語では、ありませんが仏教となじみの深い「泥中の蓮」を紹介していきます。
清廉潔白の男
基本的に汚いマフィアの世界。
1930年代、麻薬ビジネスはマフィアの間でも汚い仕事だと忌み嫌われていました。
しかし1940年代~1950年代になると、禁酒法が終わった影響で麻薬を扱うべきというのが大多数の意見となっていきます。
そんな中でマフィアのボスたちの会議を
束ねていたのがフランク・コステロ。
彼は誰からも尊敬されるゴッドファーザーでしたが、麻薬ビジネスを禁じ続けたことから求心力を失ってしまいます。
ここで再度紹介したいのが、「泥中の蓮」という言葉。
汚い泥の中でもその黒さに染まらない蓮は、大多数が麻薬ビジネスを肯定しても意見を変えないコステロのようです。
そして遂に、麻薬推進派のボス、ヴィト・ジェノベーゼがクーデターをお越し、コステロにヒットマンを放つ。
1957年5月2日夜、ヒットマンのヴィンセント・ジガンテが、自宅マンション
に帰宅したコステロに向けて発砲。
弾丸は奇跡的に頭蓋骨に沿って弧を描き致命傷を免れたもののコステロはこの事件をきっかけに引退しました。
麻薬を禁止し続けたことが正しいかはわかりませんが、意見を変えないコステロが蓮の花のように美しいと言えるのは確かです。
堅気の中のマフィア
ちなみにマフィアの中には、その逆を行く男もいます。
その名はハリー・ベネット。
彼はなんと、1930年代にフォード社の人事部長とマフィアを兼任していたんです。
フォードといえば、誰もが知る大企業。
1930年当時も、既にアメリカを代表する企業になっていました。
もちろん会社の中は堅気の社会。
マフィアといえど、多くのものは雰囲気に合わせて大人しくしそうなものです。
しかし、ハリーは違いました。
彼は常識には一切染まらず、社内でも銃を振り回し、暴力沙汰も日常茶飯事でした。
その結果、ハリーはストライキを牽制することに成功し、フォードは急拡大したのでした。
よくも悪くも常識には染まらなかったハリー。
しかし、その結果、大きな成果を残したのは確かです。