台本制作用コラム

台本制作用コラム

華やかで楽しそうなイメージのユーチューバー。

メキシコでも、子供たちがなりたい職業にこぞって挙げている。

しかし、恐ろしい事件に巻き込まれることも少なくない。

2025年3月27日

メキシコ・バハ・カリフォルニア州。エンセナーダ。

人気レストランに一組の家族がやってきた。

夫の名はゲイル・カストロ。

登録者数30万人のユーチューバーだ。

また弟が超大物ユーチューバーなことでも知られている。

そんなゲイルはギラギラとした腕時計が付いた手を動かして、妻と息子に促す。

「好きなものを好きなだけ頼みなさい」

一見すると何不自由ない華やかな生活。

だが、ゲイルにはひとつ心配があった。

それはユーチューバーが次々と消されていること。

もしかすると自分も狙われるかもしれない。そんな思いが渦巻いていたのだ。

しかしゲイルは勝気な性格で、恐れているなどと口にはしない。

彼は平然と振る舞い、食事が終わると店の正面入り口から堂々と出ていった。

その時、ゲイルの行く手を塞ぐように、2人の男が立ちはだかる。

その手にはマシンガンが握られている。

ゲイルは咄嗟に振り返り、妻と息子に隠れろと伝えようとした。

だが無情にも、、、SE:マシンガン

マフィア劇場へようこそ。

支配人のトンプソンと申します。

今回お話するのはメキシコのユーチューバーたちが次々に襲われている事件について。

巷では出回っていない情報を加えて解説していきますよ。

興味を持っていただけましたら、ぜひグッドボタンもよろしくお願い致します。

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ではさっそくスタート。

序章 やりすぎた男

まずは後のメキシコユーチューバー界に影響を与えた男について話しておきたい。

2015年

メキシコ、シナロア州・クリアカン

古びた洗車場で、必死に車を磨いている少年がいた。

名はフアン・ルイス・ラグナス・ロサレス。

彼は両親に捨てられてしまい祖母に育てられたのだが、15歳で家出。

以後、洗車場で働き、日銭を稼ぐようになったのだ。

その日々は、まったく希望の見えないものだっただろう。

だが夏のある日、彼の人生は一変する。

全ての始まりは、友人とふざけてFacebookにアップした、短い動画であった。

その中でフアンは酒をがぶ飲みする様子を披露。

見た目の幼さと破天荒なふるまいのギャップに、多くのコメントが寄せられたのである。

ここからフアンはクリエイターの道を歩み始める。

彼はFacebookに加え、インスタグラムやYouTubeのアカウントを開設。

色々な企画に挑戦した。

「酒、たらふく飲んでみた」

「ベンガルドラにタッチしてみた」

すると過激な挑戦が注目を集め、総フォロワー数は150万人を突破。

彼はありあまるお金と名声を手に入れたのだった。

なかなかうらやましい話ですね。

ぜひうちのチャンネルも登録よろしくお願い致します。

それはさておき、15歳の少年が億万長者になったらどうなると思いますか?

大方の想像はつくでしょう。

時が流れ2年後の2017年。

フアンは過激な企画の撮影から、派手なライフスタイルを見せびらかす企画にシフトしていた。

高級車を乗り回し、大型のマシンガンを買いそろえ、モデルたちを連れて歩き

もはや王様気分である。

だが彼はあくまでも子供に過ぎない。

舐められることもあっただろう。

それが嫌だったのかフアンは顎に髭を描き、タトゥーを入れ、こう名乗るようになった。

「クリアカンの海賊」

そして気が大きくなった彼は、過ちを犯します。

2017年12月15日のこと。

彼は酔った状態でライブ配信をスタートした。

配信自体は友人との雑談だったのだが、いきなりフアンはとんでもないことを言い出す。

その映像がコチラ。

NGワード連発なので音声は差し控えるが、彼はある男の名を口にした。

「おい、エルメンチョ。よく聞け」

フアンが呼びかけるメンチョは、凶悪なカルテル、CJNGのボス。

20万人の殺害に関与したとされる、超危ない男である。

そのため友人は咄嗟に制止したのだが、フアンは聞き入れず、こう続けた。

「俺のをしゃぶりやがれ。お前なんて怖くねぇぞ」

なんという命知らず。

しかもフアンはメンチョにケンカを売っておいて、何も気にしていなかったんです。

メンチョを侮辱してから3日後の12月18日

フアンはCJNGの本拠地であるハリスコ州へ。

バーで盛大に酒を飲み、こんな投稿をした。

「今「メンタドス」って店で飲んでる。

来たいやつは来な。俺のおごりだぜ」

この呼びかけは、あまりに無謀すぎた。

CJNGのギャングたちはこれ幸いとバーに押し寄せ、フアンを見つけると、、

SE:マシンガン

この攻撃でフアンと店の従業員が死亡し、同席していた女性が重傷。

フアンの遺体だけはひき取り人がおらず、安置所に放置されることに。

最終的にどうなったのかは明らかとなっていない。

その後、フアンの友人はYouTubeに、こんな歌詞の歌を投稿した。

「名声は偶然やってきた。精一杯生きた。だから悔いはないさ」

というわけでフアンが死亡したこの事件。

ニュースは国境を超えアメリカやヨーロッパでも大きく報じられ、ギャングたちに1つの学びを与えることとなってしまった。

「ユーチューバーをやると、いい話題作りになる」

この認識がさらなるとんでもない事件を巻き起こすとは、まだ誰も知る由もなかっただろう。

伝説のユーチューバー

時は流れ2023年

舞台は同じシナロア州・クリアカン

ここに伝説的なユーチューバーがいた。

その名も、マルコス・エドゥアルド・カストロ・カルデナス。

通称、マルキトス・トイズ。

彼は控えめに言ってもレジェンドである。

ユーチューブの登録者数は428万人。

インスタグラムは500万人

投稿内容は多岐にわたり、ブイログから歌唱、ミニドラマなど様々だ。

そしてなんといっても彼を語るうえで欠かせないのが、華やかすぎる暮らしぶり。

彼は大豪邸をいくつも所有し、趣味は車集め。

しかも太っ腹で、登録者に車をプレゼントする企画まで行っている。

ザ・ユーチューバーって感じですよね。

そのためトイズは子供たちのあこがれの存在であり、また多くのユーチューバーからも尊敬されていた。

しかし彼を手放しで尊敬できないと語る者もいる。

それはトイズが、、ギャングと関係を持っているからだ。

トイズの交友関係

トイズが友人と公言しているのがこの男、ネストール・イシドロ・ペレス・サラス。

通称エルニーニ。

彼が何者かについて簡単に話しておこう。

先ほどから舞台となっているシナロア州には、シナロアカルテルという大組織がある。

そしてこの組織は「チャピートス派」と「マヨ派」に二分されている。

チャピートス派は若く容姿端麗な、イヴァンが率いる派閥。

マヨ派は老獪なエルマヨが率いる派閥だ。

そしてエルニーニは、イヴァンのボディーガード部隊の隊長。

複数の凶悪犯罪に関与したとされている。

そんなエルニーニと友人であると語ったトイズには批判が殺到。

やがて新聞がこう書きたてた。

「トイズはチャピートス派のマネーロンダリングに関与している」

これに対してトイズは釈明動画を投稿。

こう語った。

「友人がどんな職業につくかは選べない。

わたしはただ、彼と友人ってだけなんだ。もちろん違法なことに関与した事実は一切ない」

この釈明にファンたちは納得したようで、炎上は沈静化。

トイズは事なきを得たに思われたのだが、、、

ここから一気に話は血なまぐさくなります。

大きな嵐

事件が本格的に動き出したのは2024年1月頃。

シナロアカルテルを2分するチャピートス派とマヨ派による覇権争いが勃発。

マヨ派はこう考えた。

「トイズが手を引けば、チャピートス派は金を洗浄できなくなって困るだろうな」

そしてトイズを捕まえて脅そうとしたのだが、彼は国中を飛び回っており行方をつかめない。

そこでマヨ派はまさかの行動に出る。

2024年1月

マヨ派の殺し屋数人は、トイズの実家へ。

マシンガンを外壁に撃ちまくったのち、手投げ爆弾を投下したのだ。

SE:爆発

幸いこの爆発で死者は出なかったが、高齢の両親が度肝を抜かれたのは間違いない。

実家を襲うって嫌なところを突きますよね。

ですがトイズは反応を見せず、マヨ派はさらなる動きを見せます。

実家爆破事件から数日後。

シナロア州・クリアカンの上空に謎の小型飛行機が現れた。

その飛行機から降り注ぐのは、大量のビラ。

ビラにはこう書かれていたという。

「トイズと取り巻きたちはチャピートス派の資金を洗浄している。

また彼らに資金を出資し、後押ししている疑いもある。

我々はお前たちをチャピートスの一派、ギャングとみなして徹底的に追及する」

このメッセージはトイズと仲間たちに衝撃を与えた。

同じくクリアカンで活動していたあのユーチューバー、悲惨な死を遂げたフアンの事件がまだ記憶に新しかったからである。

地獄の始まり

2024年9月、チャピートス派とマヨ派の戦いはいよいよ本格化。

シナロア州は内戦状態となり、約800人が殺害されてしまう。

この段階でマヨ派はトイズに最終警告を出す。

彼らはトイズが所有するレストラン2件を焼き、手を引けと次げたのだ。

だがトイズがとった行動は、、国外逃亡。

彼は友人のエルニーニに実家の警備を頼み、自身は世界旅行に出たのである。

ここでついにマヨ派はキレた。

「どこまでも舐めやがって。

トイズの取り巻きを皆殺しにしてやる」

2024年11月21日

クリアカンから20キロほど離れたキラ市

ここにはトイズのユーチューバー仲間、エル・ジャスパーが住んでいた。

彼自身が犯罪に関与していたかは不明だ。

だが、マヨ派は彼を狙った。

殺し屋たちはジャスパーの家に乗り込むと拉致。

恐ろしい拷問を加えた末に、70発もの弾丸を打ち込んでいる。

この事件は少なからずユーチューバーたちに危機感を植え付けました。

真っ先に行動を起こしたのは、トイズとコラボ経験のあるユーチューバー、ゴルド・ペルチ

彼はこう考えた

「このままではまずい。。。

そうだ、俺も国外に行ったことにすればいいんだ」

彼はSNSに「キューバに避難する」と投稿。

実際にはひっそりとメキシコ国内に隠れ続けるという戦法をとった。

だがマヨ派はお見通しだったようである。

2024年12月13日。

クリアカンの住宅街。

ゴルドは妻と共に、隠れ家をこっそりと出た。

2人は人目につかぬよう警戒しながら、食料品店を目指す。

だが、行く手をふさぐように黒塗りのバンが停車した。

降りてきたのはもちろんマヨ派の殺し屋。

彼らは2人に向けてマシンガンを撃ちまくり、、、

SE:マシンガン

ゴルドは即死。

妻は病院に運ばれたものの、間もなく息を引き取っている。

心が痛みますが、事件はまだまだ続きます。

年が明けて2025年1月10日

マヨ派は新たにピンキーというユーチューバーに目を付けた。

「奴はトイズの友人だし、チャピートス派に資金提供しているって噂もある。

吐かせてみるか」

マヨ派の殺し屋たちはピンキーの後を尾行し、誘拐。

彼を縛り上げたうえで、ひたすら質問した。

「金の流れについて知っていることを吐け。

それからチャピートス派の隠れ家やメンバー数も教えろ」

SE:殴る音複数

するとピンキーは口を割った。

「俺の知っていることをすべて話す。

なんでも聞いてくれ」

こうして全てを話したピンキーは解放され、一命をとりとめたかに見えたのだが、、、

間もなく、口を割ったと知ったチャピートス派はピンキーを見せしめとして消してしまった。

SE:銃声

彼の遺体は高速道路に放置されており、酷い状態だったという。

このようにして次々と消えてゆくユーチューバーたち。

しかしトイズは反応を示さず、逃げたまま。

そこでマヨ派はさらに無慈悲な作戦に出た。

彼の身内を狙うのである。

激化

2025年3月27日

メキシコ・バハ・カリフォルニア州。

ここにもトイズの関係者がいた。

彼の名はゲイル・カストロ。

トイズの兄として有名であり、彼もまたユーチューバーだ。

そのゲイルはやや勝気な性格であったし、油断してもいたのかもしれない。

彼はユーチューバーが次々と消されているにもかかわらず、いつも通りの生活を送っていた。

「飯でも食いに行こう」

ゲイルは妻と子供を連れてレストランへ。

ギラギラのアクセサリーで人目を惹きつつ、食事を堪能する。

そして食事を終えて店を出ると、さっきまで隣のテーブルで食事をしていた男二人が待ち構えていた。

その手に握られているのはマシンガン。

ゲイルは頭をフル回転させる。

「偶然殺し屋がレストランに居合わせたのか、予約をした時点で情報が漏れていたのか」

この疑問の答えを出す時間はなかった。

ゲイルは振り返り、妻と子供に逃げるよう叫ぶ。

そして自身も身を隠そうとしたのだが、その瞬間、、、

ゲイルは家族の目の前でハチの巣にされてしまった。

現場を目撃した家族も心配ですよね。

かなりのトラウマになったに違いありません。

それから数日後。

沈黙を決め込んでいたチャピートス派とトイズが動いた。

さすがに兄をやられては黙っていられなかったのだろう。

彼らは街中に、こんな張り紙をしている

「お前たちはついに一線を越えた。

無関係の家族を巻き込んだんだ。

俺達もお前らの家族を知っている。お前らは多くを失うことになる」

この警告は現実のものとなり、シナロア各地で拉致事件が勃発。

少なくとも数百人が行方不明になっている。

そんな混沌とした状況の中、マヨ派はさらなる攻撃に出る。

4月14日

殺し屋たちはトイズの弟に狙いを定め、彼を尾行。

ジムで運動しているところになだれ込み、マシンガンをぶっ放したのである。

この攻撃でターゲットは死亡した。

しかし、後で驚きの報道がなされた。

「トイズの弟のそっくりさんが、間違って襲われたようです」

無関係すぎますし、気の毒すぎますよね。

さて、そろそろこの戦いの結末を話しましょうか。

トイズの復活

はてなく続くチャピートス派とマヨ派の争い。

トイズは両者にとって、思いがけず超重要人物になっていったようだ。

なぜならマヨ派は命を狙った以上、消せなければメンツがつぶれるし、チャピートス派もトイズがむざむざやられれば、他の堅気の協力者がビビってしまうからである。

そんなわけで両者はトイズ争奪戦を繰り広げていたのだが、先にチャピートス派が活路を見出す。

彼らは自分たちだけではマヨ派に勝てないと判断。

CJNGに助けを求めたのだ。

CJNGは、フアンがケンカを売ったメンチョの組織ですね。

覚えていましたか。

CJNGは縄張りを分割するのを条件にチャピートス派に加勢。

またトイズの保護も請け負った。

その証拠となるのが次の出来事だ。

4月7日、ハリスコ州。

CJNGが所有するスタジアムで、サッカーの試合が開催された。

そこにスペシャルゲストとして姿を見せたのはトイズと、重武装したCJNGの殺し屋たち。

普通の感覚でいうとギョッとしてしまいそうだが、観客たちは盛り上がった。

彼らはトイズに駆け寄ると、サインや記念撮影をおねだり。

殺し屋たちが見守る中、トイズとファンは友好を深めたのだという。

その後、トイズはCJNGに保護され続けている。

まだ抗争は終わっていないので何とも言えないが、ひとまず彼の安全は保証されているようである。

おまけ 消されたティックトッカー

ここまでユーチューバーにフォーカスしてきたが、ティックトッカーも危険だ。

2025年5月13日

ハリスコ州グアダラハラ

美容院で生配信をしている女性がいた。

彼女はヴァレリア・マルケス。

モデルでインフルエンサーで実業家。

配信している美容院も彼女が持ち主だ。

だからこそマルケスは自信に満ち溢れており、この日も画面に向かって巧みなトークを繰り広げていた。

するといきなり、謎の男が来店。

男はマルケスにこう声をかけた。

「君がマルケスかい」

そして彼女がイエスと答えると銃を取り出し、、SE:銃撃音

この事件は様々な憶測を呼んでいる

友人の嫉妬説、女性を敵視する勢力の仕業説、など。

だが警察は別の説を推している。

警察が容疑者としているのはCJNGの幹部、リカルド・ルイス。

ルイスはマルケスと交際していたのだが、彼女が他の男性と親しくしているのに焼きもちを焼き喧嘩に。

殺害を指示したとされている。

証拠はなく真相は闇の中だが、警察が何らかの情報をつかんでいる可能性は高いだろう。

どんな理由があろうとも、ギャングとかかわるのは危険だとわかりましたね

他にも取り上げてほしい事件があればぜひコメント欄から教えてください。

最後までご視聴いただき、ありがとうございました。

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