バイカーギャング銃撃事件
バイカーギャング銃撃事件
今回はアメリカのバイカーギャングに関する最新ニュースをお届けしていきます
追悼記念日の襲撃
5月29日、リチャード・デブリーズ、ラッセル・スミス、スティーブン・アロの三人が逮捕された。
デブリーズはバイカーギャング ヘルズ・エンジェルズのラスベガス支部の会長、後の二人もメンバー。
三人はネバダ州ヘンダーソンでライバルギャングであるヴァーゴス・モーターサイクルギャングのメンバー6人を銃撃した容疑がかけられている。
5月29日の日曜日、この日は戦没将兵追悼記念日。
ヴァーゴス・モーターサイクルギャングのメンバーはラスベガス郊外のヘンダーソンの米国道95号線をサイクリングした後にネバダ州ボルダーシティにある退役軍人墓地を訪れる予定だった。
そこへヘルズエンジェルスのメンバーである3人が表れ、バイクで彼らを追いかけ、発砲。
ヴァゴスのメンバー6人を負傷させた。
当局は、この一方的な銃撃の動機をまだ公表しておらず、また断定もしていない。
確かなのはヴァゴス側は発砲し返さなかったということだ。
ギャングのロールスロイス
ミズーリ州カンザスシティに本拠を置く中西部アウトロー・モーターサイクル・ギャング調査員協会の専務理事でオートバイ・ギャングの専門家であるスティーブ・クックはこう話す。
「ヘルズ・エンジェルとヴァゴスは長年にわたって激しい確執があり、今回のエンジェルズは、チャンスがある、これを利用しようと判断したかもしれない。
そしてヴァゴス側が報復する可能性がある」
さらにクックは語る。
「エンジェルズはオートバイギャングのロールスロイスだ。
誰もが憧れるが、誰もが嫌っている。
彼らは裕福で、世間では伝説的な存在なんだ」
最近、この有名なバイカーギャングは、ヴァーゴだけでなく、両海岸のギャング、モンゴルやペイガン、アウトローといった他のグループとも戦っている。
それについてもクックが解説する。
「彼らにとっては大きな問題だ。
エンジェルズは、特にネバダ州では、かなり押されている。
彼らは基本的に多くの面で戦っています。
彼らは国内のバイカーギャングの大半と戦っている。
他のギャングたちは彼らを見て、”そうだ、彼らを追いかけよう “と言うんだ。
エンジェルズのメンバーはメモリアルデーの週末にヴァゴスに会うとは思っていなかったかもしれない。
彼らは暴力的な思考回路で動いている。
特にラスベガスのような競争の激しいところでは、攻撃的な姿勢も必要なのです 」
また、メタンフェタミンを使用したことも、彼らの判断に影響を与えた可能性があるとクックは述べている。
「彼らは常にハイで危険だ。
目撃者があまり証言したがらないことも知っているし、検察側の言い分はどうせ崩れるだろうと考えているのだ」
詳しい状況
ヘンダーソン警察の会見で、事件当時の詳しい状況がわかってきた。
銃撃事件の朝、ヘルズ・エンジェルスのメンバーとして入会を希望する5人若者が、ボルダー・シティの退役軍人墓地までヴァゴスを追跡したという。
そして若者たちは、墓地内でヴァゴスたちの揉み合いになった。
恐らく名をあげようとしたのだろうが、若者達は返り討ちにあい逃走した。
20分後、墓地を後にしたヴァゴスはワゴン・ホイール・ドライブ付近の米国道95号線の第一車線を並んで北上していた。
そこへ、ヘルズ・エンジェルのメンバーが現れる。
ヘルズ・エンジェルスのメンバーと若者は車でヴァゴスの隊列に近づくと、蹴りを入れてバイクを倒そうとし始めた。
そこへ、他のヘルズ・エンジェルズのメンバーが合流。
合流した三人はバイク上で立ち上がり、銃を抜いてヴァゴスのメンバーたちに発砲。
発砲後、ヘルズ・エンジェルスのメンバーは逃走した。
この銃撃戦で負傷したヴァゴスのメンバー6人は、全員がラスベガスのサンライズ病院・医療センターに搬送された。
かけつけた警察官は、カレッジ・ドライブとホライゾン・ドライブ出口ランプの間の北行き車道から多数の空の薬莢を発見した。
逮捕までの流れ
発砲の直前に、U.S. 95を北に向かっていた匿名の目撃者が、フリーウェイの脇に駐車して何かを待っているようなヘルズ・エンジェルズを数人を見たと911に電話をかけてきた。
さらに目撃者は、ヘルズ・エンジェルスのメンバーと3人と若者が合流する様子をビデオで撮影していた。
若者の1人は、ギャングのロゴパッチの下半分だけをつけ、ベストの下には赤い裏地をつけ、赤い靴を履いていたという。
ライダーの腕にはタトゥーがあり、手に「ある物」を持って左腕を抑えていたとも警察は明かしている。
さらに警察は、銃撃の直前にヘルズ・エンジェルのメンバーがボルダー・シティのコーヒーカップ・カフェにいたとの情報を入手。
カフェの監視カメラの映像と、撮影されたビデオから犯人を特定するに至った。
警察官は、犯人の1人がラスベガス支部長のリチャード・ “リゾ “・デブリースであることをすぐに認識したという。
その晩、警察はデブリース、アロ、スミスの捜索令状を発行。
各メンバーの自宅にて犯人を逮捕した。
加入の条件
ちなみにヘルズ・エンジェルには加入するための厳しい条件があるという。
まずギャングとして1年間活動しなければならない。
それからエンジェルスの支部はその人がメンバーになる資質があるかどうかを判断し、その人の加入について投票を行う。
入団が決まると、ギャングは「ヘルズ・エンジェルズ」と書かれたパッチを贈呈するのだとか。