映画カポネ レビュー&考察

マフィアグッズ専門店

本日公開の映画「カポネ」を考察、解説していきたいと思います。

まずはネタバレなしの情報からです。

基本情報

映画 カポネ

主演:トム・ハーディ

監督ジョシュ・トランク

あらすじ

長い服役を終えジャバに戻ったアルカポネは、梅毒の影響で廃人の様になっていた。

認知症が進んだカポネはかつて隠した財産の場所も忘れてしまう。

そこに財産を狙うFBIやギャング達が現れて。。

マフィアグッズ専門店

実はパンフレットを一部執筆させていただきました!
ぜひお手にとってみてください!!

映画 カポネ レビュー

本作は希代のギャングスターアルカポネが主人公ながらマフィア映画色は薄め。

ちなみに、元々予定されていたタイトル「フォンゾ」とはアルカポネの本名 アルフォンス・カポネのこと。

また親しい人はフォンソと呼んだそう。

この映画では‘マフィアのアルカポネ’ではなく、‘過去と梅毒に苦しめられる一人の男アルフォンス’の物語である。という意味が込められていたのです。

難解な内容

観客はカポネと共に彼がかつて財産を隠した場所を探す記憶の旅に出ることとなる。

映画は全体的に何が現実で何が妄想なのかわからない作りで、一度見ただけでは全てを理解出来ない。

考察で盛り上がる系の作品と言えるでしょう。

また史実に基づく小ネタも豊富で笑い所も用意されているので、マフィアファンの方も楽しめるはず。

以下ネタバレあり

映画「カポネ」解説

マフィアグッズ専門店

作中で起こる出来事を史実と比較、解説していきます。

最後には私なりの〝金のありか〟を発表します!

映画カポネより

感謝祭のシーン

冒頭で感謝を述べるのはヴィンス、ラルフ 、ベルタ。

ラルフはこの時も現役のマフィア。

幽霊に怯えていた

カポネが幽霊に怯えていたのは実話。
幽霊というよりは、梅毒の幻覚をとても恐れて取り乱すことが多々あったようだ。

ちなみにカポネは殺した相手に罪悪感を抱くタイプではなかったので、幽霊自体は恐れていなかった。

息子との電話シーン
カポネに隠し子がいたという事実はないが、このシーンは史実に着想を得ていると思われる。

カポネは亡くなる直前に正体不明の人物と電話で何やら相談ごとをしていた。

電話の後は思い詰めようにうつ状態になっていたとか。

息子 トニー
風船を持った少年トニーは、前半でカポネが発作を起こした際に見つめていた絵画に描かれている少年。

この事からトニーは妄想の人物で、〝隠した金〟のメタファーと思われる。

また絵画に写る農場の家も〝隠し場所のメタファー〟として度々登場している。

j・エドガー・フーバー
カポネが医師に「j・エドガー・フーバー」と言うシーンがある。
フーバーはカポネを追い詰めたFBIの長官。
カポネは医師がFBIと通じている事に気がついていた?

ワニはFBI
この作品においてワニはFBIのメタファーである。
何度かワニが登場するが実際には存在しないと思われる。
ワニが魚を盗るのは勿論、お金を盗られる事のメタファー

目んたまくり貫くぞ
釣りにいった際にカポネがジョニーに言う「目んたまくり貫くぞ」。
この言葉は後に目を自らくり貫く展開を暗示している。

さらに〝目〟自体も監視されている事のメタファーであり、目をくり貫くのは〝監視をやめさせる〟事を指している。

狂っていた頃の写真
〝狂っていたあの頃〟と称される例の写真は二度登場する。

狂っていた頃とはカポネの全盛期を指している。

実話部分

以下の部分は実話に基づいている。

・マシンガンで建物にいた所を銃撃されるシーン。

・兄のラルフがカポネを心配していた。

・メエは一途で気の強い奥さん。

・FBIは晩年のカポネを監視していた。

・ダークグリーンのキャデラックに乗っていた。

以下の部分はフィクション

・医師とFBIが通じていた。

・カポネがマシンガンを撃って暴れた。

・「ブルーベリーヒル」
(作曲されたのはカポネの死後)

映画「カポネ」考察編

ラジオ
ラジオで放送されている〝聖バレンタインの虐殺〟のドラマ。

その中で登場する一節が〝木曜日 警官に扮したジョニーと仲間達、いたぞ トーリオの子分だ 〟

このドラマでは殺害されるのが〝トーリオの手下〟となっている。(史実ではモランというギャング)
そして殺害するのはジョニー。

トーリオとジョニーと言えばアルカポネの師匠 ジョニー・トーリオ。

トーリオはカポネの息子のゴッドファーザーで、カポネが最も敬愛した男。

史実ではトーリオは何者かに襲撃され引退している。

トーリオ暗殺未遂事件にはカポネ犯人説が存在しており、このシーンは犯人は裏切ったカポネであり、罪悪感を抱いている事を表しているのではと思われる。

ジョニー

ジョニーの名前はジョニー・トーリオからで間違いない。

地下で彼が拷問されている場所は実在した売春宿の地下にあった拷問部屋。

ジョニーはカポネの〝守ってほしいという願望〟であり、その正体は〝カポネの師匠 トーリオの若かりし頃〟なのではないでしょうか。

しかし、そこには罪悪感も混ざっており、
「トーリオに俺を売ったな」というセリフは、犯人が自分だとバレる事を恐れる深層心理の現れなのだと思うと腑に落ちる。

ジョニーのその他の部分のモデルは以下の可能性がある。

マフィアグッズ専門店

親しかった人物を中心に集めました

聖バレンタインの虐殺を計画→マシンガン・マクガーン

裏切って殺害される→兄貴分のフランキー・イエール

敵にカポネを売って殺害された→アルバート・アンセルミ、ジョン・スカリーゼ

黒人女性との会話

金の隠し場所を指す重要な会話。

内容は以下の通り
女性「黙りなさい」
カポネ「ガキはどこだ」
女性「私の家にいる。彼らが聞いてる 宝は意外と近くにある。 取られちゃダメよ。」

カポネ「場所は」

女性「湿った所を掘って」

前半は金を奪われないようにとの忠告。
注目したいのは後半部分である。

この女性と彼女の子供トニーはカポネの深層心理にいる〝冷静なカポネ〟であり〝隠し場所そのもの〟ではないかと思う。

湿った所とはズバリ性器。

そして作中に登場した性器とはカポネが大切にしていた像〝レディアトラス〟。

レディアトラスは後ろから見ると男性器、前から見ると母親と子供に見えるデザインだった。

つまり隠し場所は母親と子供であり、湿った場所の〝レディアトラス〟で間違いない!

その証拠に冒頭でカポネは執拗にアトラスに気を配っている。

その段階では記憶がはっきりしていて、その後の発作時に記憶を失ったと思われる。

エンディングとオープニングの感謝祭

やたらと意味深なので当初は「これもカポネの妄想だった!?」と思ったのだが違うようだ。

二つのシーンは明確に違っていて、厨房にある料理も変わっている。

このシーンではただ単に〝カポネの様態が悪化した〟事を表している。

補足

アルカポネには本当に隠し子はいなかった?

確かにカポネは愛人を囲っていましたが、その一方でメエの尻に敷かれていた。

さらに梅毒の影響もあり子供はかなり出来づらくなっていたと思われます。

隠し財産はないの?

隠し財産は見つかっていないものの、現在も多くの専門家が捜索しています。

カポネの姪っ子も「財産はある!」と言っているので、いずれ見つかるかも。。

マフィアグッズ専門店

ありがとうございました!
あなたの考察もぜひお聞かせください。

余談ですがジーノがジョニーを刺し殺す場面のロケ地はレザボアドッグスの倉庫と同じ場所だそうです!

関連記事:三分で学ぶアル・カポネ

関連記事:映画の歴代カポネを比べてみた

あわせて読みたい

カテゴリ