フランクシナトラJr.誘拐事件
フランクシナトラJr.誘拐事件
最高の歌手にして大統領の友人、そしてマフィアの信奉者であるフランクシナトラ。
彼の息子にまつわる未解決事件をご紹介します。
ちなみにシナトラJr.といえばドラマ「ソプラノズ」でもマフィアの賭場の客として登場していましたね
事件の概要
1963年12月8日、バリー・キーナンとジョー・アムスラーという二人の男が当時19才のフランクシナトラJr.の誘拐を計画していた。
二人は共にロサンゼルス出身で元高校の同級生。
犯行時は23才だった。
当時フランク・シナトラJr.はタホ湖のハラーズクラブロッジで興行を行っていた。
キーナンはシナトラJr.の楽屋に荷物を届けるふりをして侵入。
ドアが開くとアムスラーと二人で拳銃を取り出し押し入り、シナトラJr.を縛り目隠しをして連れ去った。
身代金
騒ぎを聞き付けたFBIはシナトラ一家に身代金の要求を待ち、それを支払い、そして、FBIに誘拐犯を追跡させるようにと指示した。
12月10日、ジョン・アーウィンという42才の画家から24万ドルの身代金の要求が届く。
シナトラはこれに対して100万ドルを支払うと申し出たが、そんなにはいらないと断られてしまう。
シナトラは身代金を用意し、FBIはその金のシリアル番号を記録。
身代金は12月11日にカリフォルニア州セプルベダのガソリンスタンド配達された。
キーナンとアムスラーは金を確認し、アーウィンはロサンゼルスのベルエア郊外でシナトラJr.を解放。
犯行は大成功に終わった。
犯人逮捕
家に帰ったアーウィンは事件について兄に「もう辞めたいんだ。とんでもない事に荷担してしまった」と告白。
ニュースの報道で事件を知っていた兄はすぐにFBIに通報し、アーウィンを連れて出頭した。
キーナンは12月13日に逮捕、アムスラーは14日に逮捕され、約16万ドルが回収さされた。
しかし事件は終わってはいなかった。
捜査で明らかになった奇妙な事柄がいくつかある。
キーナンは歌手の友人を多く持っており、彼はその中の一人トレンスと共同の貸金庫に身代金をしまっていた。
裁判に召喚されたトレンスは当初は誘拐について事前に知らなかったと言い、その後、誘拐について知っていた事を認めた。
さらにその後、嘘をつけば偽証罪に問われると脅されたトレンスは「友人はフランク・シナトラJr.を誘拐しようとしていないと思う」と語りだす。。
余波
キーナンは終身刑、アーウィンには75年の刑が言い渡されると二人も新しい事実を語り始めた。
「誘拐犯はシナトラJr.本人さ。
彼は自分の知名度を高めるために自作自演をやったんだ。協力しただけさ」
そして三人の犯人は上訴。
この話が本当かは世間には明かされなかったが、最終的にアムスラーとアーウィンは3年半後、キーナンは4年半後に出所している。
その後キーナンは不動産開発者として成功を収め、アムスラーはハリウッドでスタントマンに、アーウィンは刑務所から釈放された後、消息を絶ち二度と現れることはなかった。。