死神の娘part2
身近なところから
リンダ・スカルパは10代の頃、最初のボーイフレンド、グレッグ・バッカとマリファナを吸った。
彼女がハイになって家に帰ると、両親は酷く激怒。
翌日、スカルパはボーイフレンドを捜しに行った。
その時の事を彼女はこう振り替える。
「彼の頭と顔はひどく殴られていて、見るに耐えなかった。頭が変形していて、グレープフルーツ大のコブがあったの。
そしてこう問いただした。
「あなたが嫌い。どうしてあんなことをしたの?」と。
対するスカルパは言った。
「バカなことをするからこうなるんだ」と
この事件の詳細は、スカルパの部下が証言している。
彼は、マリファナ吸引事件の翌日、スカルパと少年たちを見つけた。
彼らは少年ギャンブルのメンバーで、10人か12人はいたという。
しかし車で追い回し、それからボーイフレンドを捕まえ、鼻と肋骨を2本折った。
まるでエレファントマンのようだったそうだ。
その3年後にも、恐ろしい事件があった。
リンダは16歳の時、カーサービスのドライバー、ホセ・グスマンに襲われた。
彼は彼女をパークスロープのビショップ・フォード高校に送るはずだったが、代わりにプロスペクト・パークの人里離れた場所に彼女を連れて行った。
そして、彼女の手をつかんで、人差し指と中指の間のキワを、まるで私の脚のように舐めこう言った。
「お前に同じ事をやってやるんだ、ベイビー」
そして、シャツを破り捨てた。
「頭の中は、殺される、レイプされて殺される、ということばかり思っていました」
だが、なんとか冷静さを取り戻し、興味があるふりをして、グスマンに後で会おうと言い張ることで、その場をしのいだ。
家に戻り事の次第を話すと、母は逆上した。
完全におかしくなった。
泣いて 大声で泣き叫んだのだ。
そして、もちろんスカルパは激怒した。
スカルパはグスマンの住みかを特定。
家の前の階段から降りてきた彼を撃った。
「実際に他の女の子がレイプされるのを助けたんです。
父はこの殺人の新聞記事を切り抜いて財布に入れていました。
時々それを取り出しては見ていたの。
彼には子供がいて、殺されるのはかわいそうだし、罪悪感もあった。でも、どうしたらいいのか、わからなかった」
失った弟
リンダにとって、父親のマフィアの世界で一番嫌だったのは、弟のジョーイが引き込まれてしまったことだった。
ジョーイは、17歳のとき、スカルパから親友パトリック・ポルコの殺害を強要され、父マフィアの世界に引きずり込まれた。
それはポルコが殺人容疑で逮捕され、寝返ろうとしていたからだった。
結局、ジョーイは引き金を引くことができなかったが、いとこがポルコの頭を撃ち抜くのを目撃した。
その2年後、ジョーイはルッケーゼファミリーのメンバーであるマイケル・”ミッキーフラットップ”・デローザをののしり、父が撃たれるのを目撃した。
「弾丸は父の鼻を貫通し、目を摘出した」とジョーイは姉に語ったという。
スカルパは逮捕されて入院し、リンダに「大丈夫だよ、お嬢さん。これからは “片目のグレッグ “と呼んでくれ」と笑ったという。
リンダとジョーイ
スカルパは最終的に有罪判決を受け、1994年に66歳で獄中死した。
そして、ジョーイはうつ病になった。
ジョーイは「父さんのいない人生はつまらない」と姉に言った。
しかし、退屈な生活から逃れようとしたジョーイは、ガンビーノファミリーのメンバーに罠にかけられ殺された。
彼の死はリンダに大きな衝撃を与えた。
「それは1995年のことでした。
父が殺した人たち、破壊した家族のことをよく考えます。
とても辛く、心が乱されます。
私の兄も殺されたので、その気持ちはよくわかりるんです」
彼女はそう話した。