暴かれたマフィアの入会式
暴かれたマフィアの入会式
よく映画で見かけるマフィアの入会式。
あの様子はどのようにして一般人の知るところとなったのだろうか。
パトルアリカファミリー
FBIと警察は、長い歴史の中で4つのファミリーの入会式を記録することに成功している。
連邦警察は1989年にマサチューセッツ州メドフォードで行われたパトリアルカファミリーの入会式を記録した。
2015年には、王立カナダ騎馬警察が、ボナンノファミリーが関与するグループの入会式の様子を記録している。
残りの二回は、どちらもフィリーファミリー。
このファミリーのメンバーー、アンソニー・ペルシアーノが情報提供者となり、2015年10月に行われた入会式を録音した。
彼は、2014年にニュージャージーにあるポーンショップという質屋から現金と宝石23万5000ドルを武装強盗した容疑でFBIに逮捕された。
それ以来、盗聴器を身につけて生活していた。
録音されたの入社式では、当時のボス、マイケル・ランセロッティが司会を務め、出席者にはスティーブン・マゾーネ、ドメニック・グランデ、サルバトーレ・マゾーネらがいた。
式はフィラデルフィアの南の住宅で行われ、数人の若者が迎えられた。
ちなみに、フィリーファミリーの入会式が記録されたのは、1990年。
この時は、ニューアークのジョージ・フレソローネは、が盗聴器をつけていた。
初の発見
マフィアの入会式が初めて、警察の知るところとなったのは1963年である。
初めて政府に寝返ったマフィア、ジョー・バラキが上院委員会で証言し、マフィアが新メンバーを正式に認める方法をアメリカ国民に明らかにした。
ちなみにバラキがマフィアの入会式を受けたのは、1930年。
当時、カステラマレーゼ戦争で人員を必要としていた、サルヴァトーレ・マランツァーノジェノベーゼがバラキを引き入れた。
バラキは、入会式をこう語った。
「スパゲッティを茹でるお湯の中に放り込まれたような気分だった。
サルヴァトーレ・マランツァーノが全員に立ち上がるよう求めた後、聖人画を手のひらに置き、燃やしながら「ルールを破ったら自分の肉体も同じように燃やされる」と唱えた」
2022年現在、数え切れないほどのマフィアの裏切り者が、バラキの足跡をたどっている。
元ルケーゼファミリーのジョン・ペニシは、証人席で自分の入会式を詳しく説明した最も新しい人物だ。
彼へのインタビューの様子がこちらにあるので、ぜひチェックしてほしい。
シカゴマフィアの入会式
マフィアは元々秘密結社であったが、いまその秘密は誰もが知るところとなっている。
この唯一の例外は、シカゴ・アウトフィットだ。
アウトフィットの入会式は、これまで記録されたことはない。
また法廷で証言するような裏切り者を出したこともない。
そのため、シカゴには入会式がないと信いう説もある。
ある識者はこう語った。
「アウトフィットのリーダーたちは、単に新メンバーを夕食会に招待し、他のメンバーに紹介するだけである」
この謎を解き明かす鍵が、ファミリー・シークレット作戦である。
ミシガン州ミラノの連邦刑務所からFBIシカゴ支部に届いた1通の手紙から、作戦は始まった。
シカゴ・アウトフィットの中でも特に凶悪なメンバーであったフランクフランキー・ブリーズ・カラブレーゼ・シニアの息子、フランク・カラブレーゼ・ジュニアが、FBIに接触してきたのだ。
彼の手紙がきっかけとなり、未解決の18件の殺人を含む、1970年代にさかのぼる犯罪の7年にわたる捜査が開始されました。
その結果、裁判では125人以上の目撃者と200点以上の証拠から証言がなされた。
2007年8月、フランキー・ブリーズと他の4人のアウトフィットの有力者が有罪となり、終身刑が言い渡されました。
彼は裁判の中で、シカゴのアウトフィットの入会式の歴史をこう話している。
「ナポリ人のアル・カポネは、シチリア人の中世的な儀式主義を嫌い、聖人の絵に指を刺して血を垂らし、火をつけるという儀式を拒否したのである。
だが、それ以降は一般的な儀式をしている」
2007年6月の冒頭陳述では、フランク・カラブレーゼ・ジュニアが父親の会話を録音したテープが再生された。
この中にこんな話が登場している。
「アウトフィットでは、聖人の写真を燃やすとき、手を擦って火傷を和らげようとはしない。
この儀式は、一種の度胸試しのようなものだ。
絵を燃やしている間、彼らはお前が動くかどうか見ているんだ。
そして、彼らは、火傷が肉に達するまで待つんだ
それから指先をピンで刺すから血は出るが、絵に血が滴ることはない。
手のひらの絵が焼ける痛みに耐えられるかどうかが、この儀式のポイントである」
また、アウトフィットに加入するには、殺人を犯していることが条件だとの話もある。
次回に続きます