ソプラノファミリーに潜入した男 part2

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死の隣り合わせの捜査

2014年、デカヴァルカンテファミリーの後ろ楯となっていたガンビーノファミリーのメンバー ダニー・ベルテッリは娘のサッカーの試合を見にきた際にロッコを見つけた。

ベルテッリは「よぉ!こんな所で何してるんだ?」とロッコに親しげに近づいてきた。

この時、ロッコは妻と両親と共に娘の試合を見にきていた所だった。

ロッコは完全にプライベートだった為、カーゴショーツとTシャツを着ていて、とてもマフィアには見えない見た目をしていた。

ロッコは動揺をかくしてこう答えた。

「父親が刑務所にいる元カノの娘がいるんだ」

幸い正体がバレはしなかったが、この時は生きた心地がしなかったという。

組織の中枢

ニュージャージー州を仕切るデカヴァルカンテファミリー。

その一員となったFBI捜査官ロッコは幹部達によ信頼され、表のビジネスも裏のビジネスにも関わるようになってゆく。

スタンゴ

特にスタンゴはロッコを信頼しており、彼をストリートクルーの責任者に任命した。

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これは幹部に次ぐ地位でした。

それからスタンゴは勢いにのっているあの“犬のルイ”を黙らせろとロッコに指示。

この命令を知ったFBIは危険だと判断し、作戦終結を決めた。

捜査官とマフィア

ロッコは捜査が終了した際の気持ちを赤裸々に明かしている。

「正直な所、私が刑務所に送るであろうみんなに申し訳ないと思った。

私は彼らに警告したいとさえ思ったんだ。
“私は警察と取引をする。逃げろ”と電話したかった」

自宅にいた所を逮捕されたスタンゴは殺人や共謀罪で起訴された。

ロッコが録音したテープが証拠となり、スタンゴは絶望的な状況に。

2016年、スタンゴは有罪答弁を行い、殺人件数を認めた。

それによりスタンゴには10年の服役が言い渡された。

スタンゴが認めなかった罪は主に麻薬関連である。

つまりスタンゴは部下のオリベリやヒーニーを守り、殺人罪を認めたのだった。

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ちなみにスタンゴは2024年3月21日に釈放予定で、87才になります。 

裏切り者

ロッコ

逮捕から9か月間、ロッコは自宅に引きこもり戦々恐々としていた。

例のスタンゴの彼女が引っ越してきたからである。

この知らせを受けたFBIは危険な状況であると判断。

ロッコ宅に電話し彼と家族に「四時間で荷物をまとめろ」と伝えた。

ロッコ一家はニュージャージー州から遠く離れた隠れ家に連れていかれ、証人保護プログラムに加入させられた。 

ロッコの証言

ロッコはその後の生活についても語っている。

「証人保護プログラムにエージェントが加入する事はほとんどありません。

私の場合はそれだけ危険な状況だったのです。

あれから私はどんな理由があろうともニュージャージー州に戻っていません。

昔の同僚の葬式でさえ出ていないんです。

ギャングが刑務所に行くとき、すべてを失うように感じると言いますが、私も同じように感じています。

もう元の生活に戻る事は出来ないと思うと胸が痛い 

今でも居場所を明かすことはできないし、友人や家族との接触も制限されている。

それがずっと続く。 

デカヴァルカンテファミリーの新しいボスのチャールズ・マジュリは未だに私を狙っている。

私は今も怯えながら生きているんだ」

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