ボナンノの秘密

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マフィアグッズ専門店
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今回はアメリカの専門家が提唱する新説をご紹介していきます。

ボナンノの策略

ジョゼフボナンノと息子

1964年8月、ジョゼフ・ボナンノはジョー・マグリオッコと手を組み、バッファローファミリーのボスであるステファノ・マガディーノ、カルロ・ガンビーノトミー・ルッケーゼの抹殺を目論んだ。

しかしマグリオッコの部下であるジョー・コロンボが密告したことにより、ボナンノとマグリオッコはマフィア界から追放されてしまう。

そしてマグリオッコの後釜としてコロンボはファミリーのボスとなった。

この追放劇とコロンボの出世について他のボス達はあまり快く思っていなかった。

北ニュージャージーを支配していたサム・デカヴァルカンテはこう話している。

「コロンボはいつも赤ちゃんみたいにガンビーノの隣に座っている。
奴はガンビーノの言いなりで、言われたらなんだってやるんだ。

フランクよ(彼のアンダーボス)
知れば知るほど幻滅するよ。
正直さと名誉はどこへいったんだ」

陰謀

この事件で最も特をしたのは息のかかったボスを手に入れたガンビーノである。

それはあまりにも都合がよい展開であり、デカヴァルカンテはその事を疑問視していたのだ。

コロンボはジョー・マグリオッコとボナンノの暗殺計画を密告したが、本当にその暗殺計画はあったのだろうか?

遡ること1963年12月、マグリオッコはボナンノの後ろ楯を得てプロファチファミリーのボスに就任した。

その事からマグリオッコはボナンノに頭が上がらなかったのは確かである。

コロンボの密告後、自身は攻め立てられ引退させられたにも関わらず、ボナンノは雲隠れしていた。

いくら後ろ楯だったといっても、マグリオッコがボナンノを非難しなかったのは何故なのだろうか?

さらにマグリオッコは重大な陰謀に荷担したにも関わらず追放処分で許されている。

普通なら殺される筈ではなかろうか?

ボナンノの不協和音

この事件にはボナンノの日頃の行いが深く入関わっていた。

ボナンノは他のマフィアのボス、主にカルロ・ガンビーノからかなりの不興をかっていたのだ。

その理由はガンビーノが“新規メンバーを雇わない”とのルールを定めたが、ボナンノはこれを無視し兵隊を増やしていたからだという。

この違反についてはガンビーノもFBIも確信を得ていたという。

さらにFBIは驚くべきマフィアの会話を盗聴していた。

「ボナンノがマグリオッコを毒殺したらしい」

この発言を聞いたFBIはサフォーク郡の地方検事を使いマグリオッコの遺体を掘り起こさせ、捜査を開始した。

しかし、結局遺体から毒物は検出されず、“マグリオッコは心臓発作で死亡した”と結論付けられた。

しかしFBIはこの録音からひとつの事実を掴んだ。

「ボナンノは毒殺を疑われるほど汚い野郎なのだ」

デカヴァルカンテのコメント

サム・デカヴァルカンテ

ボナンノとガンビーノのイザコザが起こった際、デカヴァルカンテは二人に話し合いの場をセッティングしようとした。

しかし、コミッションから圧力をかけられそれは実現しなかったという。

1965年2月2日、それを踏まえてデカヴァルカンテは仲間のラセルバとこんな会話をしている。

デカヴァルカンテ:ボナンノはガンビーノ抹殺などの大仕事をマグリオッコに丸投げした。

ラセルバ:マグリオッコはやつの息子のゴッドファーザーだろ。

デカヴァルカンテ:ボナンノはマグリオッコにあまりにデカイ仕事を押し付けたんだ。

ラセルバ:それで?

デカヴァルカンテ:今、彼らはボナンノがマグリオッコを毒殺したと考えている。
マグリオッコは絶対に心臓発作じゃないんだ。
なぜ殺されたか?
ボナンノの企みを密告する事ができたのはマグリオッコだけだったからさ

つまりボナンノの企みを密告はコロンボの独断だったのではなく、マグリオッコの命令だった可能性があるのだ。

それならマグリオッコが許された事にも納得である。

もう一つの説

この事件にはもう一つの説もある。

それは“暗殺事件はガンビーノのヤラセ”というもの。

もしそうだとしたら、ハメたマグリオッコが殺害された事も、ボナンノだけが雲隠れし戦争を始めたことも納得できる。

果たして真相は。。

余談 ボナンノと麻薬

ジョゼフ・ボナンノにはもう一つ噂がある。

それは彼が麻薬を扱っていたというもの。

ボナンノは最終的にガンビーノと和解し引退するのだが、その後はひっそりと麻薬帝国を築いていた可能性がある。

1975年から1979年までアリゾナの麻薬取締班は旧ボナンノ一派を監視していたとされている。

もし本当なら、ボナンノの息子が書いた自叙伝の内容と大きく反する事実でもある。

ヴィト・コルレオーネのモデルとなるほど昔気質で、誠実な男だったとされるボナンノだが、我々の知らない一面があったのかもしれない。。

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