アメリカドラッグ事情
アメリカドラッグ事情
2018年、北カリフォルニアのDEAエージェントは、メキシコから製造、密輸された20,000個の青色の偽造ジェネリックオキシコドンピルを没収した。
薬物中毒は2011年から2017年までアメリカ人の死因のトップ1でした。
これらの薬物の多くはメキシコや中国から輸入されてくる。
中国の人身売買組織はフェンタニルや合成オピオイドを、メキシコカルテルはヘロインとメタンフェタミンを主に扱っている。
しかし死亡率が最も高いのはアメリカ国内で鎮痛剤として処方されるヒドロコドンとオキシコドンだった。
これらはついつい乱用することからクセになるので取締が難しく、2017年には70,000人以上が過剰摂取で死亡している。
自殺者が47,000人以上、殺人が19,500人、銃による事故が39,000人、自動車事故が40,000人なのことを踏まえるといかに多いかが伺える。
強い鎮痛剤はヘロインに似た効果をもたらすとされており、二つの鎮痛剤はモルヒネの100倍強力であるとの報告もある。
致死量はわずか2ミリグラム。
指に乗る程度の量で死亡するとは恐ろしい。
ちなみにヘロインの致死量は約75ミリグラムです
DEAの報告によるとパチモノの鎮痛剤も出回っているという。
これらはメキシコと中国から国際郵便で送られてくる。
売人は合成した粉末の薬物を型に押し込み、正規の錠剤のような見た目にして発送しているのだ。
取締の強化
現在アメリカは鎮痛剤の処方について厳しく取締を行っている。
その成果により2018年には薬物の過剰摂取による死亡が4%減少、合わせて薬局を狙う強盗も激減。
しかし合法的に鎮痛剤を入手できなくなった乱用者はギャングから粗悪なフェンタニルやヘロインを購入するようになっており、新たな社会問題となっている。
メキシコカルテル
メキシコではカルテルが米国南部の国境を通過する違法薬物の流れを掌握していて、アメリカのストリートギャングや中国の人身売買組織と提携して販売を行っている。
まずメキシコカルテルは、大量のヘロイン、コカイン、メタンフェタミン、フェンタニルを密輸する。
アメリカの各都市のストリートギャングがそれを購入し、格下のチンピラに販売する。
チンピラは一般人に販売。こうして麻薬の流通が成り立っている。
最後に得た利益をマネーロンダリングするのが中国の人身売買組織。
こうして莫大な収益が生まれている。
新時代のカルテル
DEAはメキシコでは6つのカルテルが活動していると発表している。
・シナロアカルテル
・ハリスコ
・ベルトランレイバ
・フアレスカルテル
・ガルフカルテル
・ロスゼータカルテル
メキシコでは毎年膨大な数の麻薬関連の殺人事件が発生しているが、そのほとんどは未解決のままだ。
DEAはこう発表している。
「シナロアカルテルは、西海岸、中西部、北東部の麻薬ビジネスを支払している。次に勢力が大きいのはハリスコカルテル。
全米に散らばっているベルトラン・レイバも危険な存在です。」
これらの麻薬カルテルは従来の密輸方法をやめ、新たな戦略を産み出した。
彼らは有人の超軽量飛行機、無人航空機、小型ドローンを使用して、国境を越えて空路で麻薬を密輸してくる。
これらの機体は着陸せず麻薬を投下するのみなので摘発は困難だ。
今後も麻薬との戦いは続いていきそうである。