映画を愛したマフィア
映画を愛したマフィア
今回は映画を愛し映画制作に打ち込んだマフィアをご紹介します。
フィデル・カストロ暗殺を引き受けたマフィアの一人であるジョニー・ロッセーリ。
さらに彼は13人の殺人に関わった凶悪犯であったにも関わらず、ハリウッドやラスベガスではやり手のコンサルタントとして知られていた。
合法違法を問わず様々な組織のアドバイザーを勤めたロゼリは億万長者ハワードヒューズがネバダ州南部のカジノ施設を購入するのを手助けしたと言われている。
凄腕エージェント
ロゼリはロサンゼルスのジャック・ドラグナやアルカポネとのコネがあったが、ハリウッドで彼が特殊な地位を築いたのは一重に“手腕”によるものだった。
公式の記録によるとロゼリは週65ドルの給料で映画アシスタントとして雇用されおり、実際にはプロデューサーの役割を果たしていたという。
ロゼリはシカゴ、ニューヨーク、ロサンゼルスのマフィアのボスに信頼されていたようにハリウッドのスターや大きなスタジオの大物からも信頼されていたのだ。
ロゼリを知る人はこう語る。
「彼は威勢がよく、カリスマ性があり、完璧な身なりをしていて、シャープな服装は映画の主人公のようだった。
ロゼリは映画スタジオを脅迫し数百万ドルを受け取った罪で有罪判決を受けたが、その後も多くの映画業界の大物から信頼されていたし、実際にロゼリは友人達に対して忠実でした。」
この話しにあるようにロゼリは服役し、連邦刑務所から釈放される際に“就職すること”という条件が課せられた。
ロゼリはプロデューサーの友人の好意でスタジオに再就職し、フィルムノワールを2作品制作した。
一般的にロゼリは映画制作の費用を出しただけだと言われているが実はそうではない。
彼は企画や撮影にも深く関わり映画制作に尽力していたのだ。
その甲斐がありロゼリの手掛けた「ネオリアリスト」と「彼は夜を歩いた」は名作と呼ばれている。
優雅な生活
ロゼリはロサンゼルスとラスベガスを行き来しながら生活しており、休みの日にはプールのそばでくつろいだり、ゴルフをしたり、多くの女性と一緒に高級レストランで食事をしたりして過ごしていた。
彼は結婚経験もあり映画スターのジューン・ラング、新聞社社長の娘であるマラジェン・ステビックと結婚、離婚している。
ステビックは結婚後精神的な病を発症し共同生活はすぐに破綻している。
クレイジー
ロゼリには「セックスクレイジー」というあだ名が存在していた。
ロゼリは多くの女性とねんごろになっていたがその中で特筆すべきはジュディス・キャンベル・エクスナー。
彼女はジョンF.ケネディ大統領とシカゴのボス サム・ジアンカーナ、マリリン・モンローのスキャンダルを追いかけている記者だった。
彼女は後に不審な自殺を遂げているが、ロゼリから何かを聞いてしまったがゆえに口封じされたとも考えられている。
映画への愛
彼の人生において主な収入源は犯罪だった。
しかし彼は労力のわりに収入が少ない映画の仕事を辞めようとはしなかった。
50年代~60年代はロゼリが多忙だった時期だが、彼は定期的にハリウッドに現れ映画化する脚本を選定するなどしていた。
またロゼリはラスベガスで大人向けののドキュメンタリー作品を制作するという夢を持っていた。
これはヌードショーに出演する女性に密着するもので、ロゼリは大ヒット間違いなしと踏んでいたという。
犯罪よりも映画を愛した男ロゼリ。
本当にやりたい仕事とは金を貰えなくとも喜びを感じられるものなのだ