ラスベガスのキーフォーヴァー公聴会
ラスベガスのキーフォーヴァー公聴会
マフィアに関する調査を行ったキーフォーヴァー委員会
その公聴会のひとつは現在モブミュージアムがある建物で行われました。
今回は70年前、ラスベガスで行われた公聴会の内容を紹介していきます。
ラスベガスのキーフォーヴァー
エステス・キーフォーバー上院議員は、1950年11月15日にラスベガスで公聴会を開きました。
委員会は、アメリカの重大な社会問題としてギャンブル関連の犯罪に注目していて、全国各地で開かれた公聴会の中でもラスベガスの公聴会は一際、重要なものになるの思われた。
委員会のメンバーは、証言を通じて証明された〝犯罪組織の全国シンジケート〟が存在し、このシンジケートがラスベガス合法的な事業へ影響力を持っていると主張していた。
11月14日、9時30分に委員会のメンバーはラスベガスに到着するや記者会見を行い、ラスベガスの暗部にメスを入れることを宣言した。
ウィリアム・J・ムーア
最初に召喚されたのはウィリアム・Jムーア。
彼の本職は貿易建築家だが、1942年からはストリップの主要なホテルカジノを運営していた。
また、ムーアはカジノを含むネバダ州の事業からの税金の徴収を監督する行政機関であるネバダ州税務委員会のメンバーを務めてもいる。
公聴会はムーアの倫理観を問うような質問を繰り返し、ムーアは「確かにギャンブルは他の事業よりも怪しげな人間が多い」と認め、一部の個人を業界から追い出すことは望ましいことであるが、それがどのように行うかは考えたこともない。と主張した。
対して、公聴会はムーアが数百件のカジノ運営免許の申請を拒否、さらに個人の性格を理由に100件ほどの申請を取り消したことを明らかにした。
特に〝性格〟を理由に。という部分は裏がありそうですね。
加えて、その一方いかがわしい前科者に免許が与えられているのはなぜか?
これにムーアは「いかがわしい人物は制度が厳しくなる前に免許を得たのだ」と話したが、さらに追及され〝特定の人物の利益の為に免許を取り消した事がある〟という事実を認めた。
ゴッドファーザーやカジノでも言及されていたカジノライセンス。
映画のように裏では大きな利益を産み出していたのでした。
クリフォードジョーンズ
次に召喚されたのはクリフォード・ジョーンズ。
ジョーンズはネバダ州の副知事であり、いくつかのカジノの所有者でもある。
委員会はどんな経緯でカジノを所有したのか、利益はどれくらいなのか尋ねたが、ジョーンズは「人に任せていたので詳細はわからない」の一点張り。
次に委員会は「ラスベガスでは合法的にカジノを運営出来るというのはいかがなものか」と責め立て、ジョーンズは「人々が法律を守る限り問題はない」と返答。
委員会はジョーンズの所有するカジノが違法な賭けを行っている事、マフィアのマイヤー・ランスキーと弟がジョーンズの所有するカジノに住んでいる事、フランク・コステロと親密な事、について問いただした。
ジョーンズは〝違法な賭け〟についてはもちろん否定し、ランスキーについては「ランスキーとその弟が私のホテルに数週間滞在した事はあるが、親密ではあない。コステロとは会ったこともないし彼がラスベガスに来たこともない」と答え、最後に「ランスキーはギャンブルが好きだから滞在していた」と付け加えた。
しかし、後の調査でジョーンズとランスキーの蜜月関係、死んだバグジー・シーゲルとの関係まで明るみにでてしまう。。
副知事までもマフィアに抱き込まれている事から、いかにラスベガスが腐敗していたかがわかります。