グーグルレビューで指名手配犯発見
見つかった指名手配犯
指名手配中のアイルランドマフィアのボス、クリストファー・キナハンが発見された。
その理由は、彼が飲食店のレビューをグーグルに投稿していたからであった。
彼がレビューを投稿していたのは高級レストランが大半だったが、中にはピザハットなどのチェーン店も含まれていたという。
しかも、いくつかの投稿には写真が付いており、鏡や食器にキナハンの姿が映りこんでいたというから驚きだ。
また後の捜査で、彼が偽名を使い小説を投稿していたことも明らかとなっている。
レビューのついたレストランの所在地から察するに彼はドバイに潜伏しているようだが、アイルランドとの犯罪人引き渡し協定が結ばれていないことから、逮捕は実現していない。
少し詳しい話
アイルランドの麻薬・武器カルテルのトップに君臨するキナハンは、指名手配中であるにもかかわらずレストランのレビューや旅行の小話をグーグルに投稿していた。
ロンドンの新聞『サンデー・タイムズ』とオランダのオンライン調査ジャーナリズムサイト『ベリングキャット』によると、「クリストファー・ヴィンセント」という偽名で、数百にのぼる投稿をしていたという。
例えば、2022年8月に彼が書いたイスタンブールのレストランのレビューでは、店について 「シックで豪華 、サービスは良かったが、際立ってはいなかった」と書いていた。
またドバイのサイクル・ビストロ・ジュメイラというレストランについては「感じがよく、親切なスタッフがいた。アサイーボウルを食べ、アーモンドブレッドとグリーンサラダを添えた卵料理を食べた。食事は盛り付けもよく、美味しかった。この店には5つ星をあげたい」と絶賛していた。
キナハンについて
キナハン・カルテルはキナハン・シニアとその息子、ダニエルとクリストファー・ジュニアによって率いられている。
一味は世界的な麻薬密売組織や、マネーロンダリングを含む違法行為に関与する他の組織と手を組んでおり、資産は15億ドルと推定されている。
その中でクリストファーは組織を指揮する立場にあるようだ。
国際組織犯罪報奨プログラムは現在、クリスティ・キナハンとその息子ダニエル、クリストファー・ジュニアに関する情報に対して500万ドルの報奨金を出している。
今後の展望
すぐに逮捕できるのではと思うかもしれないが、アイルランドとアラブ首長国連邦は犯罪人引き渡し協定を結んでいないため進展はない模様。
現在、法律を変更するための努力が進められているとのことである。
ただし一部の専門家からは「キナハンがドバイを離れて他の場所に行く可能性がある」との指摘も寄せられている。
ここでもう一つ、「指名手配犯がどうして世界を自由に飛び回れるんだ」と思われるかもしれない。
実はキナハンは莫大な資産とコネを使い、パスポートを偽造&役人を買収しているようなのだ。
果たしてキナハンが逮捕される日は来るのだろうか。