禁酒法のプロパガンダ

禁酒法のプロパガンダ

禁酒法に向けた活動

100年ほど前、アメリカは禁酒法時代へと突入した。

このイラストでは、酒の誘惑に屈した幼い息子を見て母親が泣き叫んでいます。

イラストのタイトルは。「子供酔っぱらいのトニー」。

なぜこんなイラストが作られたのか?

事の発端は、1700年代後半の禁酒運動で始まったアルコール飲料の削減または禁止への取り組み。

そして遂に実を結んだ禁酒法は、ご存知の通り酒の密輸入、密売へと繋がり、ギャング達が帝国を築くきっかけとなった。

禁酒法によるギャングの台頭は、世間が禁酒法に賛成していない何よりの証拠だった。

そこで節制と禁酒法の擁護者は、大衆にメッセージを伝えるためにプロパガンダを使用しました。

まず酒が家庭与える悪影響をアピール。
仕事帰りの飲酒は家庭内の争いにつながり、酔っ払った労働者は家族を虐待する。という説をあらゆるイラストや物語を使って拡散。

この説の歴史は古く、最も有名なものは1847年に作られたテーブルと椅子がひっくり返った家のイラスト。

そのイラストは小さな変更を加えて再描画され、何度も再公開されました。

その他にはキリスト教の十字軍のイメージを利用して、女性は斧で酒樽を粉砕しています。

彼女の後ろのバナーは、「神と人類の名において」。

このイラストの通り、女性は禁酒運動で特に大きな役割を果たしました。

女性達の行った最も効果的な活動は嫌がらせ。

酒場の外で禁酒の歌を歌い、「節制の大義のために攻撃する」「母の祈り」であると書かれた小冊子を配布した。

ちなみにこの嫌がらせがきっかけで、乱闘事件が怒る事も。

また、プロパガンダは人生ゲームにも。

1860年頃から人生ゲームには、「ギャンブル」や「売春婦」「酒」などのペナルティを受けるマスが用意されるように。

禁酒法の廃止

しかし、1930年代初頭、女性の禁酒法改革機構は皮肉にも、「ギャングから国を守るために禁酒法を廃止するべきだ」と主張し始める。

そして禁酒法は1933年に廃止されましたが、今も禁酒法支持者は多くのこっている。

彼等は、禁酒法の失敗はその内容ではなく不十分な執行の結果であると主張しています。


当時は大統領選にも大きな影響力を持っていた彼らですが、その影響力は年々弱まり、現在では政治的な影響力を失いつつあるようです。

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