マッテオ・メッシーナ・デナロ特集
逮捕されたマッテオ・メッシーナ・デナロ情報まとめ
最重要指名手配犯の一人だったマッテオ・メッシーナ・デナロが、1月17日に逮捕されました。
彼は複数の殺人罪、詐欺、恐喝、テロ行為の罪で、欠席裁判にて有罪判決を受けています。
デナロは1993年に姿を消して以来行方が分からず、警察は30 年間、顔の合成画像と登頂した音声を頼りに彼を探してきました。
警察は捜索範囲を世界中に広げ探していましたが、彼がいたのは地元のシチリア島、パレルモでした。
イタリア人ジャーナリストのアンドレア・プルガトーリ氏はBBCに対しこう語ります。
「彼を逮捕するのに非常に長い時間がかかった。
なぜなら、他のマフィアのボスと同じように、彼は非常に密集した共謀者のネットワークに守られていたからだ」
この話は本当で、過去にはファミリーの関係者宅を捜索した警察が、デナロの手紙や趣味のアイテム(テレビゲーム)を応酬しています。
また、ある時はデナロの肖像画が飾られているのを発見したことも。
これはデナロを崇拝している証なのだといいます。
逮捕までの道のり
警察は10 年以上にわたり、メッシーナ デナロを保護、または支援した疑いのある人を取り締まってきました。
デナロの兄弟を含む 100 人以上が逮捕され、1 億 5,000 万ユーロ (1 億 3,000 万ポンド) 以上の価値のある企業が押収されています。
さらに、警察はデナロの親戚の家の盗聴もしていました。
その中で時おり、「がん患者」や「がん手術」についての会話が聞こえたことから、警察はデナロが病気なのではないかと推測。
加えて、元マフィアからの「デナロはクローン病と肝臓がんだ」という証言を得たことで確信に至りました。
次に警察は、デナロが協力者の保険証で通院していると推測し、1962年以降に生まれたすべての男性がん患者のデータを収集しました。
そして分析の結果、容疑者を 5 人に絞ることに成功。
と、この時、捜査官があることに気が付きます。
「アンドレア・ボナフェデ、、これは亡くなったマフィアのボス、レオナルド・ボナフェデの甥じゃないか?」
詳しく調べたところ、ボナフェデは、2020 年と 2021 年に 2 回、パレルモで手術を受けていました。
また、1月16日に化学療法セッションを予約していました。
デナロの逮捕
当日の朝、100 人以上の軍隊がラ マッダレーナ クリニックを包囲、張り込みを開始しました。
すると、最寄りのカフェから、帽子を深くかぶった年配の男性がクリニックに向かって歩いてきました。
彼こそがデナロだったのです。
デナロは、クリニックの近くまで来て、警察の存在に気づきました。
そこで引き返そうとしましたが、通りを封鎖する警察がいるのを見つけ、観念しました。
8年間デナロを折っていた警察官、コル・ルシオ・アルシディアコノは、イタリアのTGcom24に、こう語ります。
「感情の高まりを感じました。それは彼でした -、、私が何度も見た写真の中の男です。」
逮捕されたデナロ
警察関係者によると、デナロは、礼儀正しく穏やかな話し方だといいます。
逮捕された彼は、近くの空港に連行され、軍用機で夜のうちに、アブルッツォ州中部のラクイラにある警備の厳しい刑務所に運ばれました。
そこからの尋問と捜査により、デナロが逮捕される前の生活の詳細が明らかになり始めています。
彼は、パレルモから 116 km、生まれ故郷のカステルヴェトラーノからわずか 8 km のカンポベッロ ディ マザラにある気取らない家に住んでいたようです。
隣人はイタリアのメディアに、「男性を頻繁に見かけ、定期的に挨拶を交わしていた」と語っています。
最初の報告によると、警察は隠れ家で武器ではなく、高級な服、香水、家具を発見したようです。
デナロのおしゃれ好きは有名で、逮捕されたときも 35,000 ユーロ相当の時計を身に着けていたと伝えられています。
最後に、地元メディアのコメントを紹介しましょう。
「シチリアのマフィア組織は新しいボスを選出しなければならなくなりました。誰がボスになるにせよ、マフィアはなくなりません」