マフィア、骨肉の争い
マフィア、骨肉の争い
マフィア版カインとアベルとも呼べる事件が起きた。
殺されかけたマフィアの長男が、弟に暗殺されかけたと証言したのだ。
2018年5月、アンソニー・ゾットラ(44)は、ウォーターフロントの住宅地の外で兄サルバトーレ・ゾットラ(45)を始末しろと地元のギャング団、ブラッズギャングに依頼したという。
そして、サルバトーレは7発もの発砲を受けた。
その内、1発の弾丸は彼の頭をかすめたが、奇跡的に頭蓋骨をそれた。
父にも、、
その三ヶ月後の2018年7月11日、二人の父であるシルベスター・ゾットラは、マクドナルド・レストランのドライブスルーでテイクアウトコーヒーを待っている所を、車ごと蜂の巣にされ絶命した。
検察側は、アンソニーがブラッド・ギャングのメンバーであるブショーン・“シェルズ”・シェルトンに20万ドルを支払い、シルベスターを殺害させたと見ている。
また、動機は4500万ドルにおよぶ不動産帝国の支配権を奪うためだったとも述べている。
彼の殺害には、当初ボナンノとルッケーゼファミリーが絡んでいると思われていた。
がしかし、犯人は身近にいたのだった。
サルバトーレが証言する間、アンソニーは無表情で見つめていた。
しかし、サルバトーレは決して目を合わせなかったという。
サルヴァトーレの証言
銃撃された当時の事を、サルバトーレはこう証言した。
「私は立とうとした。が縁石に倒れました。走れなかった。転がるのが精一杯だった 。
その場にいて目撃した友人と親戚は、私に怒鳴り、叫んでいた。
後から、彼らが私に伏せておくように言っているのだとわかった。
それからの事は、意識があったりなかったり。
駆けつけた友人に靴下に隠してある1200ドルを渡して、犯人に取られないようにするように言ったのを覚えている。
また、最後のメッセージになるのではと思い、『妻と子供たちと父に、愛していると伝えてくれ』と頼みました。
襲われた後、アンソニーは病院に見舞いに来なかった。
彼は子供たちとサッカーの試合に行かなければならないと言った。
その後、私はアンソニーに、自分に向けられた暴力の原因について何か知っているかと尋ねました。
アンソニーは、自分もわからないと答えました。」
その後、法廷には事件を捉えた監視カメラの映像が映し出された。
サルバトーレはミニバンの後ろに這いつくばり安全な場所に行こうとしたが、銃撃犯は車から降りて周囲を旋回し、道路に転がるサルバトーレを追いかけながら何度も発砲していた。
もう一人のゾットラ兄妹である教師のデビー・ゾットラは、それを見て泣き崩れた。
彼女はこのように語っている。
「これはトラウマになるような体験です。私たちはとても、とても仲の良い家族でした。兄弟と父と私。
私たちは不滅のチームだったのです。
私は2人の兄を愛していますし、家族として永遠に大切にします」
この事件では、合計10人の男性が嘱託殺人の罪に問われており、シェルトンを含むほとんどが有罪を認めている。