警官&FBIチーム VS 殺し屋
【マルっとわかる】
警官&FBIチーム VS 殺し屋
ことの発端は1933年6月。
フランク・ナッシュというギャングが逮捕されたことだった。
この知らせを受けた仲間たちは、急いである男に電話をかけた。
「俺に用かい」
ぶっきらぼうに電話口に出たのは、ヴァーン・ミラー。
彼は元警官であり元軍人、そして現職は殺し屋という異色の経歴の持ち主だ。
しかも銃の腕前は超一級品で、殺し屋組織“マーダーインク”のリーダーが用心棒に雇ったほどである。
またシカゴのアル・カポネが恐れる男としても知られていた。
そんなミラーにギャングたちは、こう泣きつく。
「フランクが刑務所に移送される間に、彼を救い出してくれないか
報酬は弾むぜ」
当然ながらギャングの移送では、武装した警官隊やFBI捜査官が周囲を固める。
常識的に考えれば、奪還はまず不可能に思えた。
ところがミラーの返事は、、
「面白い、俺が引き受けよう」という正気とは思えないものだった。
まずミラーは、どの地点でフランクを奪還するか作戦を立てる。
そして鉄道から車に乗り換えるポイント、カンザスシティのユニオン駅に目を付けた。
もしかすると、ここなら遮蔽物が多く戦いやすいと思ったのかもしれない。
移送当日の1933年6月17日、早朝。
旅行客とビジネスマンでごったがえすユニオン駅。
予定通りの時刻に到着した警官隊とFBI捜査官たちは、フランクを連れて外に出た。
そしてパトカーにフランクを押し込み出発しようとしたのだが、その前方に覆面をした三人の男が立ちはだかった。
1人はミラー、あとの二人はフリーの殺し屋である。
ミラーはマシンガンを警官たちに向け、こう叫んだ。
「フランクを渡せ!、そうすれば命は奪わない」
一瞬の静寂、、、
そして警官たちは銃を抜いた。
と同時にミラーのマシンガンが、けたたましいマシンガンの轟音をあげる。
駅はあっという間に戦場と化した。
数分にわたる銃撃戦の末に、ミラーは警官とFBI捜査官4名を殺害、2名を行動不能にする。
だが、ここで思いがけないことが起こってしまった。
「ああ!」
ミラーは珍しく情けない声を上げ、その場に崩れ落ちた。
なんと彼は、、、フランクまで撃ち殺してしまったのだ。
この事件は「カンザスシティの虐殺」と名づけられ、現在まで語り継がれている。
YouTubeの方では、ミラーのその後や、カポネとの因縁を紹介しております。