フランクルーカスの伝説は本物か?
アメリカンギャングスター
フランク・ルーカスの半生を描いた映画「アメリカンギャングスター」興行収入は9600万ドルを超える大ヒットとなり、同時にフランクも‘‘最高の悪役’’として称賛存在となった。
映画はフランクへのインタビューを元に制作されたものの、物語に登場した人物の一部は映画の内容に異議を唱えている。
造られた英雄
映画は多くの批評家から絶賛されたが、その内容のほとんどは俳優に向けたものだった。
その理由は映画のフランク・ルーカスと実際のフランクがあまりにかけ離れているからだと言う人も多い。
ただし、それは監督や脚本家のせいではなくフランクが誇張したエピソードを語ったせいである。
もしくはこうした批評は‘‘都合の悪い事実を知られたくない人間’’から発せられたものの可能性もある。
巻き起こった騒動
アメリカンギャングスターが公開されて一月後。
引退した連邦捜査官のグループが名誉毀損で映画製作者を相手取って訴訟を起こし、「捜査官が誤って描かれた」と主張した。
またフランクルーカス事件に密接に関わった数人の警官は、リッチー・ロバーツの映画の描写に異議を唱えた。
「彼は実際の事件とはほとんど関係がない」
さらに別の警察官は映画に対してこう怒りのコメントを出した。
「私たちは2年近くもの間、フランク・ルーカス逮捕のために命を危険に晒してきた。
それなのに逮捕に興味すらなかった男が英雄として描かれている」
ロバーツはこの主張に応えてデイリーニューズに声明を出した。
「確かにプロデューサーは少し誇張した。私が刑事だったときと検察官だったときの境界線を曖昧に描きました」
フランクルーカスの主張
しかしフランク自身は警官達の苦情を相手にもしなかった。
「私を捕まえたという警官を信用するつもりはない。奴らはアホだ。」
他にも映画の内容に異議を唱える者もいる。
フランクの師匠、エルズワース‘’バンピー‘’ジョンソンの未亡人は著書「ハーレムゴッドファーザー」にこうつづった。
「そうではありませんでした。
映画のようにルーカスは亡くなった夫を知っていて常に称賛していました。
しかしそれ以外は全てデタラメです」
さらにニッキー・バーンズも映画の正確さに疑問を呈した。
「私はいつもイタリア人から麻薬を手に入れました。彼からは仕入れていない!」
さらにフランクが死んだ軍人の棺を介して東南アジアからアメリカにヘロインを密輸したという内容にも異議を唱えた。
「彼の品がベトナムからの棺桶に入ったことはありません」
この主張は半分正しい可能性が高い。
1972年12月、警察は棺に麻薬が仕込まれているとの情報を掴み調査を行った。
その報告書にはこう記されている。
「ヘロインの気密バッグは、剖検後に身体に滑り込ませられりは可能性がある」
つまり棺てはなく遺体に入れていた可能性もあるのだ。
この噂についてレスリー・アトキンソン(映画のネイト)がインタビューに答えている。
アトキンソンは1974年に有罪判決を受けた後、「死体に入れた」と記者に話したと言われている。
だが後にアトキンソンは発言を撤回し、ヘロインはチーク材の家具に忍ばせたと説明した。
「タイにいる間に、フランク・ルーカスが私の家にやって来た。
私は彼をレオン(大工)に紹介しました。
レオンが私のために大工の仕事をしていることをルーカスに伝えた。それだけです。
密輸の本当の方法を知っているルーカスだけだ。
ルーカスはレオンに仕事は何をしているのか尋ねました。
レオンは棺を作っていると答えた。
それはおそらくルーカスが密輸方法を思い付いた瞬間でした」
この騒動についてはまた近いうちに続報をお届けします。