The Many Saints of Newark
ソプラノズ
今回はHBOmaxで配信中の劇場版ソプラノズについてお届け。
※ネタバレなし
ソプラノズとは1999年から2007年までケーブルネットワークで放送された伝説的ドラマ。
今回の映画はその前日譚で、タイトルは「 The Many Saints of Newark」
1960年代のニューアークを舞台に、黒人社会とイタリア系アメリカ人社会の対立を描く。
今回は元潜入捜査官の証言からソプラノズの魅力を紐解きます。
リアルソプラノズ
『The Many Saints of Newark』の主演はマイケル・ガンドルフィーニ(若き日のトニー・ソプラノ役)とアレッサンドロ・ニヴォラ(トニーの叔父、ディッキー・モルティサンティ役)
ニュージャージー州に実在するマフィアに潜入した元潜入捜査官ジョバンニ・ロコは彼らが“リアルなキャラクター”だと語る。
「裏社会は裏切り、暴力的な犯罪行為、被害者、それから欲に満ちている。
このようなライフスタイルは、精神的な苦痛を伴います。
トニー・ソプラノが行っているように精神科医に助けを求めるマフィアもいました。
「私はこれまでに逮捕したマフィアや政府の証人として協力したマフィアと話をしてきました。
彼らは多くの場合、自分のしたことに対する罪悪感を持っています。
彼らは人生の選択に悩むことが多く、特に年を重ねるごとにそうなっていきます」
ソプラノズの魅力
マフィアの専門家であるケイシー・マクブライド氏はこのシリーズで最も面白いと思うのは、登場人物の人間的な側面だと言う。
「ソプラノズ”では歴史や人間性の断片をうまくストーリーに取り入れている。
そこが魅力だ」
キャラクターのリアルな人間性については元潜入捜査官のロッコもこう話している。
「トニー・ソプラノの中に、自分が潜入捜査官として知っていたさまざまなマフィアを見ています。
トニー・ソプラノは、私が幼少期に知っていた、あるいは仕事の中で調査・逮捕した実在の人物たちの集大成です。
ソプラノズは、私たちの人生に何が起こっていようとも、毎週私たちを引き込んでくれた。
言葉遣い、家族関係。。
それぞれのキャラクターにはプライベートでのストーリーがあり、ファミリーのの中でのストーリーもある。
それがさらに私たちを惹き付けた理由です」
元ニュージャージー州の覆面捜査官であるボブ・ディレイニー氏もソプラノズの大ファンだ。
デラニーは10年以上にわたってニュージャージー州警察の組織犯罪研究所を運営していた人物。
いわばニャージャージーマフィアの専門家である。
そのデラニーはソプラノズについてこう話した。
「活動の中で、マフィアが威嚇や暴力のを用いて自分たちの権威を示し、支配を維持する様子を目撃しました。
それを私は毎日のように見ていました。
しかし、時には威圧的な戦術が命取りになることもあります。
※ネタバレの可能性ありのため省略
ソプラノズの世界で見られマフィアの関係は、ボイアルドファミリーをはじめとするニュージャージーの実在する犯罪組織の関係に似ています。
ファミリーのリーダーであるアンソニー・”トニー・ボーイ”・ボイアルドは、ファミリーを運営することに苦しみ、精神科医の診察を受けていました。
トニー・ボーイは、ニュージャージー州の強力なマフィアであるリッチー・’ザ・ブート’・ボイアルドの息子だった、そこも共通点だ。
トニー・ボーイは PTSDを専門軍医だったセラピストと話していた。
トニー・ボーイは、ブートの息子であることと、ファミリーを運営することのストレスに潰されてしまったんだ」
マフィアといえども人間、人には見せない弱い面を持っている。
そんな当たり前を描いたからこそソプラノズは“伝説のドラマ”として今も愛されているのです。