ジミー・フラチアーノとバグジー
ジミー・フラチアーノとバグジー
今回は第二回となるフラチアーノ特集です。
フラミンゴ
1947年、フラチアーノは開業したてのホテルフラミンゴを訪れバグジー・シーゲルと話し合いを行った。
当時バグジーは自らに迫った危険を感じ信頼出来る腕のたつ部下を欲していたという。
そこで殺し屋として活躍していたフラチアーノとデーゴ・ルイが招待されたのだった。
バグジーはフラチアーノ達に熱く夢を語った。
「見てみな、フラミンゴは俺の作品なんだ。
この世で一番美しい芸術品さ。
ロスからラスベガスは車でちょっとだし、今にラスベガスは世界的な観光地になるぞ。
しかもカジノは合法だ。俺とビジネスをすれば成功は間違いなしだ!
しかもな、俺は賭博委員会も押さえてる。
許可を出すのも却下するのも俺次第さ。」
これほどまでに大きなビジネスに関与したことのなかったジミーは驚嘆し、呟いた。
「すげぇな、、」
バグジーは続ける。
「俺はな、ラスベガスに組織を作ろうと思ってる。 俺の組織さ。
お前らがこの話しにのるなら一人に一つカジノを持たせてやるよ」
カジノの夢
カジノとは金を無限に産む装置である。
税金をちょろまかすのも容易い。
そう考えたフラチアーノはすっかり“カジノを持つ”という夢に魅せられてしまった。
ロサンゼルスのファミリーに所属していたフラチアーノはさっそく上司のドラグナにこの件を報告、ラスベガスに移りたいと申し出た。
フラチアーノとルイは熱心にバグジーから聞いたカジノの魅力を力説し、バグジーと組むのはファミリーにとっても得であると訴えた。
しかしドラグナの返事は意外なものだった。
「一つ言っとくぞ。 バグジーはアヘン中毒さ。それにな」
フラチアーノが口を挟む。
「しかし、奴の計画は損のしようがないもんですよ! 勝ち馬にのるみたいなもんです」
いいか良く聞け、とドラグナ。
「問題はな、奴はヤクをやってる上にペテン師ってことだ。
儲かるというが今のところカジノは赤字だし、そのくせ贅沢三昧だ。
チップを大盤振る舞いだし、女へのプレゼントも欠かさない。
肝心なのはな、奴が重要人物達の金をくすねてるってことだ。
残念さ、だが仕方ねえ。
奴は頭がいいのに肝心な事を忘れてんだ。
“人の金を誤魔化すってのは一番殺られやすいんだ”」
さらにドラグナはだめ押しにこう付け加えた。
「ここだけの話だがな、近々運転手が必要になる」
この言葉はバグジーが殺害される事を示していた。
フラチアーノの夢はこうして潰えたのだった。。
バグジー暗殺
しばらくして、フラチアーノはドラグナから呼び出され運転を頼むかもしれない申し付けられた。
乗せるのはフランキー・カーボーンという男。
彼は根っからの殺し屋で行き先はビバリーヒルズだという。
フラチアーノは全てを察した。
その四日後、フラチアーノの出番はなかったもののバグジーは目玉を撃ち抜かれ死亡。
フラチアーノはこの事件を指示したのはマイヤー・ランスキーだと聞いたという。