オリーブオイルとマフィアの歴史
オリーブオイルとマフィアの歴史
写真は販売中のジェンコオリーブオイル。
それを記念して今回はマフィアとオリーブオイルの歴史をご紹介。
マフィアとオリーブオイルと言えば映画「ゴッドファーザー」を思い浮かべる方も多いかと思います。
しかし、マフィアとオリーブオイルの関係はもっと昔から続いていたのでした。
コルレオーネのオリーブオイル
遡ること19世紀、シチリアのコルレオーネには一面、ブドウ園と果樹園に囲まれた農場が広がっていた。
そこで貧しい農民達が育てていたものの一つがオリーブ。
当時コルレオーネには5つのオリーブ園があり39,000 kgのオリーブを生産することができた。
しかしオリーブには隔年で良い物が成る傾向があり、貧しいし農民にとって死活問題だった。
とはいえオリーブの木は非常に丈夫で干ばつや凍結を物ともしないというメリットもあった。。
コルレオーネの土地はひどく乾いており、その中でもしっかり育つオリーブは重宝され、いつしか伝統的な名産品となってゆく。
しかしある時、オリーブの生産は1ヘクタールあたり8,000kg以下に制限しなければならいというルールが決められてしまう。
これによりオリーブとオリーブオイルは高級品へと変わってゆく。
アメリカの移民達
舞台は変わりアメリカ、多くのイタリア系移民達は故郷のオリーブオイルの味を恋しがっていた。
そこでオリーブオイルをアメリカへと輸入するビジネスが動き始めた。
始めにオリーブオイルビジネスを始めたのはジュゼッペ・モレロというマフィアの身内だった。
だがオリーブオイルビジネスが巨万の富を産み始めたのはその少しあとのことである。
プロファチとオリーブオイル
1978年、ジョー・プロファチは息子であるプロファチ・ジュニアとビジネスパートナーのエンリコ・コラビタと共にオリーブオイル輸入会社を設立した。
すぐにプロファチは全国有数のオリーブオイル商人へとのしあがってゆく。
代表的な商品は“フィリッポベリオ”と“フラテッリベリオリーブオイル”という二種類のオリーブオイル。
これらはスパーマーケットでも販売されるほど普及しており、客たちはマフィアの商品だとは夢にも思っていなかっと。
ちなみにプロファチの設立したオリーブオイル会社は合法企業へと生まれ変わり現存している。
このプロファチのオリーブオイル事業は後に映画「ゴッドファーザー」のモデルとなり一躍、有名になった。
現代のマフィアとオリーブオイル
今日もマフィアはオリーブオイルと深い関わりを持っているが、その関係性は大きく変化している。
2017年、イタリア当局はオリーブオイル輸出会社7つにマフィアが関わっていることを明らかとした。
この7社は“エクストラバージンオリーブオイル”と偽り粗悪な品物を輸出していたと見られている。
さらにはイタリア製と称して出所不明の油を売っているケースも存在した。
これらの売り上げは年間600万ユーロに上ったと見られ現在も捜査が行われている。