マフィアとうつ
マフィアとうつ
“マフィアとうつ”というと「ソプラノズ」や「アナライズミー」といった作品が思い浮かぶが、これは決してフィクションの中だけの話ではない。。
フランク・コステロのケース
暗黒街の首相と呼ばれたマフィアのボス フランク・コステロ。
映画ゴッドファーザーのモデルにもなった人物です。
彼は50歳の解きに精神科を受診した。
コステロは限りない金と権力、献身的な妻、セントラルパークを見渡アパート、クラブなど人が望みうるもの全てを持っていたにも関わらず、人生の空しさを感じていたのだ。
さらに不眠症と倦怠感にも悩まされていた。
コステロをカウンセリングした精神科医は彼の引きこもりがちな日常生活について、「もっと外出をして、人に会いましょう」とアドバイスし薬を処方した。
療養
アドバイスを受けたコステロは積極的にクラブなどに出向き人と会うようにし始めた。
コステロの毎日のルーティーンは朝食後の動物園から始まる。
動物にひとしきり癒されたコステロはサロンに行きマニキュアとマッサージを楽しむ。
それから自宅やレストランで友人達の相談に乗ったり商談をまとめたりするのだ。
暇な日にはよく競馬場に行ったりもしていたという。
また、服装にも変化が現れた。
コステロは高級スーツをやめ、至って控えめな、値段にして230ドル程度のスーツを緩く着こなすようになったのだ。
この頃のコステロを知る人物は「自分の人生を後悔しているようだった」と語っている。
こうして回復に向かっていたコステロだったが精神科医が守秘義務を守らず秘密を漏らしてしまう。
さらには公聴会への召喚やヴィト・ジェノベーゼとの抗争、暗殺未遂など次々とストレスになりそうな出来事がコステロを襲う。
それでも挫けず戦い抜いたコステロはやはり尊敬に値する男である。
マイヤー・ランスキーとうつ
実はコステロの親友ランスキーもうつ病に悩まされた人物である。
ランスキーの妻アンナは重度のうつ病を患っていた。
原因は子供の障がいや夫の犯罪。
ランスキーはアンナに考えうる限りの療法、当時は薬の他に電気ショックなど、を受けさせた。
しかし常態は改善せず、1947年にアンナは離婚訴訟上をおこし「夫が辛く当たってくる」と主張した。
対するランスキーは一切の弁明を行わず離婚を受け入れている。
これはランスキーが責任を感じていたからかもしれない。
ただし、離婚後2人の関係は改善され、ランスキーの再婚後も仲が良かったという。