仕組まれた刑務所殺人

仕組まれた刑務所殺人

映画「ブラック・スキャンダル」でも知られるホワイティ・バルジャー。

2018年10月30日、彼は刑務所内で他の囚人に教われ命を落とした。

この事件はこれまで、突発的な犯行であり、事故のようなものだとされてきた。

しかし今回、殺害される6分前に、バルジャーの房の鍵が開けれていたことが明らかとなった。

電話した男

法廷での証言によると、バルジャーが2018年10月29日にUSPヘーゼルトンに到着する数時間前、刑務所の見張り役、ショーン・マッキノンは母親への電話でこう話していたと言う。

「ホワイティ・バルジャーの名前を知っているだろう。彼が来る」

対してマッキノンの母親であるシェリル・プレヴォストは、こう述べた。

「なんてこったい、彼に近づかないで、お願い」

これに「わかったよ」とマッキノンは言い、それから「みんなが楽しみにしている」と伝えた。

この会話は録音が残されている。ここで問題なのは、極秘のはずのバルジャーの移送を、誰もが知っていたということだ。

当日の動き

マッキノン

フロリダ州の裁判所は、このように声明を出した。

「ウエストバージニア刑務所にバルジャー来ることを受刑者は知っていた。誰もが。」

マッキノンが電話したのが午後3時30分。

これは、バルジャーが刑務所に到着する5時間前だった。

バルジャーは午後8時半過ぎに刑務所に到着。

車椅子で132号室に案内された。

その夜、他の囚人が彼を見たかどうかは明らかではない。

しかし、翌日の午前5時、マッキノンは同房のマフィアの殺し屋フォティオス・“フレディ”・ギアスと、もう一人の囚人ポール・デコロジェロ(彼の叔父はマサチューセッツの組織犯罪組織のボス)と密室で会話したとされている。

そのわずか一時間後の午前6時、すべての房の扉が開かれ、受刑者が自由に出歩けるようになった。

そのわずか6分後、ギースとデコロジェロは、バルジャーの独房に入るところを撮影されている。

少なくとも二人は7分間はそこにいた、と裁判所の証言は述べている。

彼らは午前6時13分に立ち去ったが、刑務所当局は、バルジャーの死体を2時間近く発見できなかった。

ジースとデコロジェロは、他の受刑者に自分たちが犯人であることをあっさり認めたと、連邦検事補ハンナ・ノウォークは公聴会で語った。

デコロジェロはこう話したと言う。

「バルジャーが密告者であると言った。
だから、バルジャーが刑務所に入ってくるのを見たらすぐに、彼を殺すつもりだった」

彼らは、錠のついたベルトを使い、バルジャー氏を殴り殺した、と検察は見ている。

当局は、受刑者たちがバルジャーの到着をどうやって知ったのか、FBIの情報提供者として知られる彼がなぜ一般房に入れられたのかについて、まだ説明していない。

一方、マッキノンは、ヒットマンの見張り役として告発されている。

彼は先週フロリダで第一級殺人の共謀罪などで逮捕されたとき、監督下釈放中であった。

彼は、連邦捜査官への虚偽の供述で別に起訴されている。

マッキノンの弁護士は、母親への電話はバルジャーが来ることを知っていたことを示しただけで、バルジャー殺害に関係しているわけではないと主張している。

“また弁護士は、「母親への電話は、刑務所全体がホワイティ・バルジャーが来ることを警戒していたのを示しているだけだ。彼が陰謀に関与していたことを法廷に伝えるものではない」と述べた。

しかしフィリップ・ランメンス判事は、マッキノンを逃亡と地域社会への危険の恐れがあるとし、裁判まで拘置するよう命じた。

ジースとデコロジェロは、ウェストバージニア州連邦裁判所で、重傷を負わせた暴行とともに、第一級殺人を幇助した罪で起訴された。

ギースは、終身刑で服役中の連邦受刑者による殺人という別の罪に直面している。

両者ともすでに刑務所に収監されている。

ギアスはマフィアのヒットマンとして有罪判決を受けた。

彼と彼の兄弟は、2003年にマサチューセッツ州スプリングフィールドのジェノベーゼファミリーのボス、アドルフォ・“ビッグ・アル”・ブルーノの殺害を含むいくつかの犯罪に関与したとして、2011年に終身刑の判決を受けていた。

また、デコロジェロは、叔父のファミリーに属していました。

彼は、警察に仲間を売ろうとした少女を殺そうとした際に使われたヘロインを購入した罪で有罪判決を受けていた。

ただし、殺人罪ではなかった。

ヘロインでは死ななかったので、別の男が彼女の首を折って手足を切断し、遺体を森に埋めたと裁判記録は伝えている。

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