最も凶悪な殺し屋ベスト5 中編
最も凶悪な殺し屋ベスト5 中編
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No.2ジョー・“ザ・アニマル”・バルボザ
ジョー・“ザ・アニマル”・バルボザは1932年にマサチューセッツ州ニューベッドフォードでポルトガル移民の息子として誕生した。
若い頃から腕っぷしが強いギャングとして知られており、18歳のときには強盗の罪で服役している。
出所したバルボザは1961年頃にマフィアの仲間としてヤミ金融業へと進出。
週に5,500ドルも稼ぐようになっていた。
アニマル
凶暴な取立屋だったバルボザはあまりに野蛮な行動の数々から“ザ・アニマル”とあだ名されるようになる。
バルボザは正に獣そのもので、ある男の頬を噛みちぎり、さらに銃で頭を吹き飛ばしてから頭蓋骨の欠片を咥えていたという。
1965年代、マフィアのボス レイモンド・パトリアルカは敵対ギャングと抗争を繰り広げていた。
そこでパトルアリカはバルボザの凶暴さを利用しようと企む。
バルボザは天職を見つけたとばからに次々と仕事を遂行、三年間で26人を殺害した。
バルボザの活躍によりパトリアルカファミリーは勢力を拡大。
しかし1966年にバルボザが武器を所持していた罪で逮捕されると状況は一変してゆく。。
バルボザの裏切り
バルボザは当然、パトリアルカが保釈金を支払ってくれるものと信じていた。
だが期待に反してパトルアリカは支払いを拒否する。
さらに見かねたバルボザの仲間三人が保釈金を工面しようとしたのを見つけたパトルアリカは彼らを処刑してしまう。
パトルアリカはバルボザが邪魔になり服役する事を望んでいたのである。
これを知ったバルボザは怒りに震え、すぐにFBI捜査官に連絡をとった。
「俺を消耗品と呼んでいるパトリアルカのファミリーの違法行為について話そう。
だが俺と家族の安全は保証してくれ」
証人となったバルボザ
バルボザが証言すると知ったパトルアリカは「お前の家族を皆殺しにするぞ」と何度も脅迫を行ったが、彼の決意が揺らぐことはなかった。
この脅迫はただの脅しではなくバルボザを黙らせるべく殺し屋が雇われたとの記録もある。
1970年、バルボザはパトルアリカが命じた二件の殺人について法廷で証言した。
パトルアリカには懲役10年の刑が、さらにはファミリーのメンバー50人が合わせて起訴された。
しかしこの裏では恐るべき策略が進行していたのだった。。。
仕立てられた罪人
パトルアリカが有罪となる少し前、FBI長官のフーヴァーとバルボザは密談を行っていた。
フーヴァーは「バルボザの親友である殺し屋 ジミー・“ザ・ベア”・フレミとその兄弟を見逃してやる」という条件を提示し、引き換えにパトルアリカを有罪にしてくれと持ちかけた。
バルボザはこれに同意。フーヴァーとバルボザはパトルアリカを間違いなく有罪にできるような嘘の証言をでっちあげた。
パトルアリカは本来なら無罪となっていたはずでした。
さらにこの件についてフーヴァーが記したと思われる覚え書きが見つかっている。
「殺し屋を見逃すリスクは高い。だが大物を捕まえる方が有意義である」
証人保護
役目を終えたバルボザは短期の服役の後、証人保護を受け隠れて暮らしていた。
しかし1976年2月11日、バルボザはかつての仲間であるジェームズ・チャルマスを訪ねた。
チャルマスはファミリー内で権力争いを繰り広げている真っ只中であった。
二人が何を話したのかは謎であるが、バルボザがその場を立ち去り車に乗り込もうとした時、バンが猛スピードで現れた。
扉が開くと2人乗り男がショットガンを発砲しバルボザを穴だらけにした。
後に発覚した情報によると、チャルマスを見張っていたファミリーのメンバーが偶然にもバルボザを発見し、即断即決で殺害したようだった。
さらに深い闇
2002年、下院委員会はFBIとバルボザの偽証について調査を行った。
調査報告は1,800ページの書類にまとめられ2004年に公開された。
以下一部抜粋
「FBIは過熱するギャング戦争の中で、ボスを捕まえなければならないという政治的圧力を受け、悪魔と手を結んだ。
さらに恐ろしい事実が発覚した。
1970年、証人保護プログラムでサンタローザに送られたバルボザは、強盗犯のクレイ・ウィルソンという男に出会った。
バルボザは強盗の分け前を寄越せウィルソンに迫った。
やがて痺れを切らしたバルボザはウィルソンを射殺。
その後すぐに殺人で逮捕された。
しかしバルボザは「虚偽の証言を撤回するぞ」とFBIを脅すことで罪を回避。
正当防衛だったというバルボザの言い分が認められたのだ」
さらに当時を知る弁護士のエドワード・ハリントンはこう話している。
「パトリアルカを片付けるのを手伝ったバルボザは何度もFBIを脅迫していた」
FBIをも手玉にとるとはなかなか。。